山形県で訪問看護の法定研修会を開催
2024年の7月24日、山形県村山地区に位置する訪問看護会館で、帝人株式会社と山形県看護協会、山形県訪問看護総合支援センター、及び山形県訪問看護ステーション連絡協議会が共催した法定研修会が実施されました。これにより、訪問看護師向けの教育と支援の強化が図られることとなります。
研修内容と参加者の反響
第1回目となるこの研修のテーマは「高齢者虐待防止」であり、現地参加者27名、オンライン参加者48名、合計75名が集まりました。講師には山形県看護協会の訪問看護ステーションやまがたの所長である山川一枝氏を迎え、参加者は高齢者虐待に関する重要な知識と対策を学びました。
研修の主な内容は、高齢者虐待防止のための5つの規定に関する解説や、虐待の分類(身体的、心理的、性的、経済的およびネグレクト)について深掘りしたものです。参加者は、真剣な態度で講義に耳を傾け、深刻な問題を共有しあいました。特に、虐待の兆候を察知する必要性や、チーム全体でリスク要因を判断するプロセスを体験することで、実践的な理解を深めることができました。
グループディスカッションの重要性
講義の後には、参加者がグループに分かれ、症例検討会を行いました。高齢者虐待のリスク要因やその社会背景について活発な意見交換が行われ、現場で直面している課題に対する理解が深まりました。さらに、通報基準についての質疑応答もあり、参加者がそれぞれの役割を果たすための知識を拡充する場となりました。
参加者の中には、「本研修を通じて、不安を軽減し、実務への活かし方を学べた」といったポジティブな感想を述べる方も多く、研修の意義が感じられる結果となりました。
今後の展望とリーダーシップの重要性
山形県看護協会の菅野常任理事は、本研修の背景について、「各事業所における法定研修の負担を軽減し、横のつながりを育むことが重要」と述べました。また、山川講師も、「虐待の兆候を早期に察知するために、ケアマネジャーを含むチーム全体で共通認識を持つことが必要」と指摘しています。
今後も、帝人株式会社は訪問看護業界のサポートに尽力し、NsPaceを通じて情報提供や追加研修会の実施を進める考えです。全国的に訪問看護事業所は人手不足に直面しており、こうした取り組みによって地域内の支援体制を強化する意義は大きいです。
この法定研修会が、山形県の訪問看護事業の発展に寄与し、地域の高齢者がより良いケアを受けられる環境を築く一助となることを願っています。