IgA腎症の診療実態と医師の期待
株式会社協和企画は、IgA腎症に関する診療実態を明らかにするため、腎臓内科医を対象にインターネット調査を実施しました。この調査から見えたのは、医師たちが抱える懸念や期待の内容です。
IgA腎症とは
IgA腎症は日本において33,000人と推計される、原発性糸球体腎炎の一つであり、慢性の腎疾患として注目されています。2015年には「指定難病」ともなり、適応条件を満たせば医療費助成の対象に。現行の治療法にはRAS系阻害薬や副腎皮質ステロイド薬、口蓋扁桃摘出術などがあり、これらは医師によって広く使用されています。
調査内容と結果
調査対象は最近1年間にIgA腎症患者を5人以上診療した腎臓内科医110名。年齢構成は18歳未満が5%、18~65歳が72%、65歳以上が23%という結果でした。最も使用されている治療薬はRAS系阻害薬で73%、続いてSGLT2阻害薬が47%でした。
医師が懸念していることとして、再燃・再発の制御が極めて難しいこと、疾患特異的な指標がないこと、専門医への紹介が遅れる危険性が挙げられました。特に、専門医への紹介の遅延は確定診断の遅れにつながり、適切な治療へのアクセスを妨げる要因となっています。
新薬への期待
医師たちは「臨床的寛解」を達成する新薬の登場を切望しています。新薬には「臨床的寛解に導く可能性」と「副腎皮質ステロイド薬の使用減少」が求められており、多くの医師がこの点において高い期待を寄せています。副腎皮質ステロイド薬には懸念があり、特にその使用を最小限にしたいという医師の意見が多く見られました。
治療環境の改善と早期発見の重要性
IgA腎症は早期発見が課題ですが、確定診断が遅れることで予後不良に繋がることが指摘されています。医療の現場では、患者が迅速に適切な治療を受けられるよう、専門医紹介の改善が求められています。
まとめ
本調査は、IgA腎症患者のケアにおける医療的課題を浮き彫りにしました。新薬の期待も高まる中、現行治療の改善や早期診断の必要性が今後の重要なテーマとして浮かび上がっています。株式会社協和企画は、こうした情報を元に、今後も医療業界に寄与する研究や活動を継続していく所存です。