2024年のランサムウェア調査が示すサプライチェーン攻撃の実態
ランサムウェアの脅威、2024年の調査結果が示すもの
OpenText Corporationが発表した「2024年グローバルランサムウェア調査」では、近年のランサムウェア攻撃のトレンドについて詳細が明らかになりました。この調査によると、特にソフトウェアサプライチェーン攻撃が多発しており、企業はその影響に対処するための対策を講じる必要があります。
サプライチェーン攻撃の増加
調査の結果、ランサムウェア攻撃を受けた企業の62%が攻撃がサプライチェーンから発生したと回答しています。資金力を備えたサイバー犯罪者たちは、より多くのソフトウェアサプライヤーを標的にしており、特に生成AIを駆使したフィッシング攻撃が増えていることが指摘されています。このような背景から、企業のサイバーセキュリティ対策の重要性が一段と高まっています。
経済的損失と対策
米国のVerizonが発表した「2024 Data Breach Investigations Report」によれば、ランサムウェアにより生じる経済的損失は、ケースによって3ドルから114万1,467ドルまでと幅広く、その中央値は4万6,000ドルとのことです。これに対し、多くの企業がランサムウェア対策に乗り出しています。中堅・中小企業は特に大企業よりも高い割合で攻撃を受けており、危機感を持っていることがわかります。
セキュリティ意識の向上
OpenTextの最高製品責任者であるMuhi Majzoubは、サプライチェーンの脆弱性に対処するためには、企業はよりプロアクティブな防御策を講じる必要があると述べています。具体的には、従業員教育の強化や、クラウドソリューションの実装、そしてサプライヤーとの連携を見直すことが挙げられます。
調査では、ほぼ91%の回答者がサプライチェーンに対するランサムウェア攻撃を懸念しており、その対策を講じるよう努めていることが示されています。また、71%の企業が自社のソフトウェアサプライヤーのサイバーセキュリティ対策を評価するための公式なプロセスを策定しているとの結果もあります。
AIの影響
最近では、AIがランサムウェア攻撃の手法にも利用されることが増加しています。調査対象者の55%が、外部からの攻撃者によるAIの使用が増えたことによって、自社がランサムウェア攻撃を受けるリスクが高まっていると感じています。また、特にフィッシング攻撃の増加が懸念されており、69%の回答者がAIの使用が増えていることでフィッシング攻撃も増えていると感じていることがわかっています。
このような状況を踏まえ、多くの企業がクラウドセキュリティやフィッシング訓練への投資を拡大しています。調査によると、2024年には中堅・中小企業の62%がクラウドセキュリティに対する投資を増やす予定だとのことです。
結論
最新の調査結果は、企業が今後のサイバー攻撃に備えていかに早急にセキュリティ対策を強化すべきかを示しています。企業が直面する脅威は日に日に増大しており、適切な資格を有した専門家による助言や、従業員の教育強化は欠かせません。今後も注目が必要な分野と言えるでしょう。
調査に関する詳細はOpenTextの公式ブログをご覧ください。
会社情報
- 会社名
-
オープンテキスト株式会社
- 住所
- 東京都千代田区丸の内1丁目8-3丸の内トラストタワー本館18階
- 電話番号
-
03-4560-7700