30年越しの思いが込められた日本酒「1995」
日本酒の新たな一ページが、30年の熟成を経て幕を開けます。1995年1月17日、阪神淡路大震災の日に仕込まれた純米大吟醸が、2025年の販売でついに姿を現します。この酒は、有限な時間の中で心に残る大切な記憶と、豊かな未来への期待が込められた貴重な一品です。
熟成の経緯とその背景
日本テクノロジーソリューション株式会社が協力し、兵庫県加西市にある酒蔵、富久錦株式会社の手で生まれた「1995」は、若かった多くの蔵の中でも、特にその品質にこだわりを持つ酒蔵が仕込んだものです。震災の影響を受けた当時の酒造りの情熱と、30年という歳月で醸し出された深い味わいが感じられます。
当時はまだ純米大吟醸自体が多く生産されていなかった時代であり、29年という長い間、静かに熟成されてきました。この酒には悲しい過去と共に生まれた特別な意味が込められていますが、それを消化し、未来への希望を込めて味わっていただきたいと、富久錦の前田氏と稲岡社長は語ります。
パッケージデザインにもこだわり
「1995」のパッケージデザインは、神戸市の「KOBE CREATORS NOTE」を活用し、革新的なデザイナーにより設計されました。デザイナーは、神戸を拠点にした経験豊富な奥田氏が担当し、震災からの復興への希望を表現しています。
また、ボトルの木箱には著名な書家「紫舟」の作品が施され、そこには『無限』という力強いメッセージが込められています。このデザインは、過去への感謝とともに、未来への無限の可能性を象徴しています。
限定販売とその隠れた魅力
2025年1月17日(金)に限定50本が発売される「1995」。そのうちの30本は、大丸神戸店のお得意様専用の会員制サイト『コネスリーニュ』でのみ入手可能です。残りの20本は、酒輪公式サイトにて販売される予定です。購入は難しいかもしれませんが、販売される本数の少なさが一層の特別感を醸し出しています。
この商品化は、単なる日本酒の販売ではなく、日本の災害の歴史や、そこからの復興の希望を伝えるプロジェクトの一環でもあります。「風土」「造り手」「飲み手」をつなぐ「酒輪」プロジェクトの象徴とも言えるこの酒は、まさに日本文化の深さ、酒の持つ力を感じさせるものです。
日本の酒文化の未来へ
「1995」の販売は、ただのビジネスではなく、私たちの日常生活における食と文化の交差点でもあります。このお酒の背後には、長い時をかけた努力と情熱、そして食文化の豊かさが息づいているのです。日本酒の未来を感じるこの機会に、ぜひ一度手に取ってみてください。30年の熟成が生んだ極上の日本酒、「1995」を心行くまで楽しんでみるのはいかがでしょうか。皆さんの特別な時間が、「1995」とともに忘れられない瞬間になることを願っています。