腸内機能性代謝物質同時定量法を確立したメタジェンの新たな挑戦

メタジェンが腸内機能性代謝物質の同時定量法を確立

株式会社メタジェンは、腸内環境研究を加速させる重要なステップとして、腸内細菌由来の代謝物質を同時に測定する新たな手法を開発しました。この研究は、アジレント・テクノロジー株式会社や慶應義塾大学先端生命科学研究所との共同作業によるもので、結果は2024年12月9日に「Gut Microbes Reports」誌に掲載されます。

腸内環境と健康の関係

腸内細菌が生産する短鎖脂肪酸、胆汁酸、アミノ酸などの代謝物質は、私たちの健康に大きな影響を与えています。これらの物質を総合的に分析するメタボロミクスは、腸内環境を理解するうえで欠かせない技術です。2024年11月には、短鎮脂肪酸普及協会が設立されることが注目されており、腸内代謝物質はヘルスケアの新しい指標としての役割が期待されています。

これまでの技術的課題

従来の技術では、特有の性質を持つ各代謝物を同時に測定することは難しく、短鎖脂肪酸や胆汁酸、アミノ酸などを別々の前処理法と分析装置で測定していました。これが腸内代謝物質の測定における大きなボトルネックとなっていました。

新たな測定法の確立

メタジェンは、この問題を解決するため、連携した研究機関と共に、新しい腸内代謝物質の同時定量法を開発しました。特に、短鎖脂肪酸の測定において乾固処理時の揮発を考慮した手法を取り入れ、従来の測定体系を大きく見直しました。この新しい前処理法により、短鎖脂肪酸、胆汁酸、アミノ酸代謝物質、糖を一度に測定できる方法が確立されました。さらに、この手法は生体サンプルにも適用できることが実験から確認されています。

に向けた展望

メタジェンは、「腸内環境に合ったヘルスケアをあたりまえにする」というビジョンのもと、腸内環境を可視化する技術を確立していくことが必要だと認識しています。この測定手法の開発は、腸内デザイン社会実装を進める中での重要な成果の一つであり、腸内環境研究や解析においても「共創」の必要性を強く実感しています。

今後、この新しい測定法を活用して、腸内環境の研究やヘルスケア事業が進展することが期待されます。メタジェンは、この手法を自身のサービスでも提供していく予定ですので、今後の情報にもぜひ注目してください。

参考文献

- 論文タイトル: Development of a Specialized Method for Simultaneous Quantification of Functional Intestinal Metabolites by GC/MS-Based Metabolomics
- 著者: 舟橋和毅、杉立久仁代、加賀田紀子、福田紀子、李哲揆、ソンアイゼア、石井千晴、平山明由、福田真嗣
- 掲載誌: Gut Microbes Reports
- 掲載日: 2024年12月9日