訪日外国人によるドラッグストアの選び方・購買動機を深掘りする

インバウンドのドラッグストア利用実態を探る

株式会社Payke（ペイク）が実施した調査によると、訪日外国人の97.4%が日本滞在中にドラッグストアを利用しています。特に驚きなのは、約8割の観光客が週2回以上の頻度で訪れている点です。これは日本のドラッグストアが観光客にとって非常に重要なショッピングスポットであることを示しています。さらに、全体の約3割が毎日ドラッグストアを訪れるという結果も明らかになっています。

この調査は1,830名の訪日観光客を対象に、彼らのドラッグストアの利用実態や購買理由、ブランドの認知度と評価基準について詳細に分析しました。特に興味深いのは、購買理由が言語によって異なる点です。例えば、英語話者は「日本でしか買えない商品」との関心が高い一方、中国語（繁体字）や韓国語の話者は「自国よりも安い価格」が大きな要因となっています。

ドラッグストアの利用状況

調査の結果、訪日観光客の多くが商品カテゴリーに偏らず、様々な商品を購入していることがわかりました。特定の目的ではなく、総合的に買い物をしているという傾向があります。この現象の背景には、日本特有の商品や安価な価格設定が絡んでいると考えられます。英語話者の26.1%は「日本でしか手に入らない商品」を重視しており、中国語話者の25.1%、韓国語話者の23.0%は「日本の方が安い」と感じていることが影響しています。特に韓国語話者は、「自分用として」の購入が多い可能性が高く、日常的な使用を意識している傾向があります。

ブランド認知度の分析

マツモトキヨシとダイコクは、全言語圏で高い認知度を誇っていますが、ツルハドラッグやスギ薬局などは国によって認知度が異なることが明らかになりました。例えば、ツルハドラッグは繁体字中国語話者において12.2%の認知度を持つ一方、韓国語話者での認知度はわずか4.8%となっています。こうした状況は、言語圏ごとの購買行動に影響を与えていることが示唆されます。

購入動機と選択基準

訪日観光客の店舗選びにおいて、何が最も重要であるかを評価するために調査を行ったところ、「商品種類の豊富さ」と「価格」がほぼ同じ割合で選ばれ、最も重要な要素としては「価格」が39.2%と圧倒的な支持を受けました。これに対して「ホテルの近さ」も21%台で選ばれていますが、観光地の近さはわずか11.8%に留まるなど、ドラッグストアが主要な観光目的地ではなく、買い物の場として利用されていることが伺えます。

言語別の評価傾向

調査結果からは、各言語ごとに評価されるブランドが異なることもわかりました。マツモトキヨシは「立地が良い」「品揃えが豊富」という評価が高く、ダイコクは「価格が魅力」とされ、特に中国語（繁体字）話者から支持を得ています。サンドラッグに関しては、英語話者において「価格」や「立地」が高く評価されているものの、外国人向けのサービスの強化が求められることも示唆されています。

このように、ドラッグストアを訪れる訪日外国人のニーズや価値観は多様化しており、言語ごとに異なる評価基準を持っています。これにより、各ブランドはマーケティング戦略を再考する必要があります。観光客の行動データや評価を踏まえた戦略の見直しは、今後の購買促進において重要な役割を果たすことでしょう。詳細に興味を持たれる方は、Paykeまでお問い合わせください。