令和6年金融商品取引法改正の概要
1. パブリックコメントの結果
金融庁は令和6年に施行予定の金融商品取引法および投資信託に関する法律の改正について、2023年9月13日から同年10月13日まで広く意見を募集しました。この改正は、高度な金融活動を促進し、投資家の保護を目的としており、計7名の個人や団体から合計35件の意見が寄せられました。この場を借りて、ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
金融庁は、頂いたコメントについて詳細な分析を行い、意見の概要及びその反映について正式に発表しました。具体的には、コメントの内容とそれに対する金融庁の見解が、別紙にまとめられています。
2. 改正の概要
本改正は、主に二つの大きなテーマから成り立っています。
(1) 有価証券の売買高基準の緩和
今回の改正により、特に取引規模が小さい非上場有価証券を対象とした取引において、第一種金融商品取引業の登録のみで私設取引システムを運営できるように手続きが緩和されました。これにより、流動性の低い市場での取引が活性化し、投資家の選択肢が広がることが期待されています。
(2) 競売買方式の売買高の上限の緩和
また、金融審議会の提言に基づき、上場株券を取り扱う私設取引システムにおいても、競売買に関する売買高の上限が緩和されます。こちらは、投資市場の公正性と透明性を確保し、安全な取引環境を整えるための施策として位置づけられています。
3. 政令の公布と施行日
この新しい政令は令和6年11月15日に閣議決定され、本日正式に公布されました。施行日は次の通りです:
- - (1) 改正に伴う施行: 令和6年11月21日
- - (2) 販売業者向けの指針等の施行: 令和6年12月1日
これにより、改正が具体的にどのように適用されるのか、金融機関及び投資家にとって重要な内容となるでしょう。
4. 今後の展望
金融庁では改正法の施行にあたり、適切な指導及び監督を実施し、金融市場の安定化を図る方針です。これらの改正を通じ、より健全な金融環境の構築が期待されており、投資家の新たな可能性を切り開く手助けとなるでしょう。
お問い合わせ
ご意見や質問がある方は、金融庁の企画市場局までお問い合わせください。電話番号は03-3506-6000(代表)です。
この改正により、金融業界は変革の時を迎えています。今後は投資家のニーズに応える新しい制度が整い、市場がより活性化することが期待されます。