学問の枠を超えた名著が戻る!
2025年3月26日、キース・E・スタノヴィッチの名著『THE ROBOT'S REBELLION ロボットの反逆 ヒトは生存機械(サバイバルマシン)にすぎないのか』が新訳で復刊します。旧題『心は遺伝子の論理で決まるのか』として知られる本書は、当時から多くの読者に支持されており、特に読書猿氏による『独学大全』にも影響を与えた重要な作品です。
AI時代の必読書
本書は、進化論やダーウィニズムへの挑戦として位置付けられています。人間が単なる「生存機械」なのか、あるいは自ら意思決定を行う存在であるのか、スタノヴィッチは認知心理学と進化論の視点から深く掘り下げています。
この問いは、AI技術が進化し続ける現代において、ますます重要なテーマとなっています。私たちが合理的な判断を下す能力は、進化の影響を受けたものではなく、我々自身の理性のなせる業なのか? その答えを探るのが本書の目的です。
読書猿の解説
新訳版では、読書猿氏が解説を担当し、人間の非合理性とその進化的な起源についての考察が加わっています。読書猿氏の視点は、自らの著作を通じて、さらなる探究と共有を促すものとして、多くの読者に影響を与えることでしょう。
目次紹介
本書は、全8章から構成されており、各章ではさまざまなテーマが扱われています。以下にその目次を紹介します。
1. 解説 ─ 読書猿 ダーウィンのアビス(奈落)より
2. 第1章 ダーウィニズムの深淵を覗きこむ
3. 第2章 自己自身と対立する脳
4. 第3章 ロボットの秘密兵器
5. 第4章 「自律的な脳」のバイアス ─ ショートリーシュ型の心が苦しみをもたらす理由
6. 第5章 進化心理学はどこで間違ったのか
7. 第6章 合理性障害 ─ たくさんの賢い人が、たくさんの愚かなことをしでかす理由
8. 第7章 遺伝子の奴隷からミームの奴隷に
9. 第8章 謎なき魂 ─ ダーウィン時代に生きる意味を見いだす
この中でも特に、第4章や第6章は、現代社会における合理性の欠如を論じており、現実に即した考察を提供しています。思考のトラップから脱却し、よりよい自己決定を行うためのヒントが詰まっています。
著者と訳者のプロフィール
著者のキース・E・スタノヴィッチは、カナダ・トロント大学名誉教授で、認知心理学や教育心理学の分野で数多くの成果を上げてきました。そして、訳者の木島泰三氏と藤田美菜子氏も優れた業績を持っており、特に哲学や翻訳分野で注目されています。
販売情報
この新訳版は、ダイヤモンド社から販売され、定価は4,840円(税込)です。豊富な内容を持つ本書は、自己理解や意思決定のプロセスについて考える上で欠かせない一冊です。
新たに生まれ変わった『THE ROBOT'S REBELLION』は、ただの読み物ではなく、私たちの内面を探る道標として、皆さんに深い洞察を与えることでしょう。毎日の生活の中でこのテーマを考えるきっかけとし、多くの人に広がることを願います。