資金決済制度に関する金融審議会最新報告とその影響

令和6年10月24日、金融庁による資金決済制度ワーキング・グループ第3回会合の概要

令和6年10月24日、金融庁では「資金決済制度等に関するワーキング・グループ」の第3回会合が開催されました。この会合では、立替サービスの規制や外国金融機関のシンジケートローン参加の課題について、委員の意見や事務局の説明が交わされました。

会合の目的と進行

この会合の目的は、資金決済制度の見直しを進めることにあり、具体的には立替サービスの法律的な位置づけと、外国の金融機関が日本市場にどのように参入できるかという議論が行われました。

1. 立替サービスの位置づけ

議論の中心となったのは、立替サービスが貸金業法に該当するか否かという問題です。立替サービスとは、利用者からの依頼に基づき、事業者が資金を立て替え、後に利用者に請求するというサービスです。消費者保護や規制の在り方について、詳細な議論がなされました。

2. 外国金融機関のシンジケートローン参加

外国の金融機関が国内の企業に資金を提供する手法として、シンジケートローンが検討されています。現在、外国銀行が国内で業務を行うためには、拠点の設置や人的要件を満たす必要があるため、これに対する規制緩和の要望が上がっています。実際、多くの国では外国銀行が日本市場に参入する際、もっと緩やかな基準が採用されています。

委員からの意見

a. 規制の複雑さ
多くの委員からは、現行の規制が複雑であるため、相互に整合性を持つ法律が求められています。特に、立替サービスに関しては、どのような基準で貸金業法が適用されるのかの明示的なガイドラインが必要とされています。
b. 産業界のニーズ
また、金融庁側からは、数多くの実態調査を基にした議論が進められるべきという意見もありました。特に、企業のニーズを強く反映させる必要性が強調され、例えば給与前払いサービスなど、企業や従業員に対する影響が検討されています。