マクニカ、業務プロセス自動化への新たな一歩をUiPath社と共に
株式会社マクニカは、業務プロセス全体を自動化するためにUiPath Platformを全社的に導入することを発表しました。この取り組みにより、同社は独自のハイパーオートメーションの実現を目指しています。マクニカは、半導体やサイバーセキュリティなど最新テクノロジーを幅広く扱うサービス・ソリューション企業であり、今後のビジネス拡大に向けた「IT・DX施策推進ロードマップ」を策定しました。
自動化の理由と背景
マクニカが自動化を進める理由は、現在の業務プロセスの効率化と品質向上を図るためです。業務アプリケーションのテスト自動化や生成AIの活用に加えて、市民開発を促進するための強力なパートナーが必要でした。UiPath Platformは、こうした要件を満たすだけでなく、市民開発に最適なツールを提供し、AI搭載ソリューションの将来性も評価されたため、導入が決定しました。
UiPath Platformの導入とその効果
マクニカでは2023年12月よりUiPathを導入し、生産性の向上を目指しています。特に、IT部門では急速な事業変化に対応するため、基幹システムのグローバル展開に向けてテストの負荷を軽減し、品質も確保するためにテスト自動化が必要です。
保守契約の管理システム
保守契約の管理において、UiPath Test Suiteの活用が評価されています。このシステムは、基本機能の動作に問題がないかを確認するテスト自動化を行い、年間で160時間の時間を創出しています。人的リソースを増やすことなく全機能のテストが可能になり、システム品質の向上にも寄与しました。
CRMでの週次アップデート自動化
CRM領域では、メーカーの製品アップデートに応じた自社システムのテストが行われています。手作業で行っていた動作確認を自動化したことで、週末のテスト実行が可能になり、週明けには迅速なエラー対応が実現しました。これにより、タイムリーなエラー検知が可能となり、システムの安定性が高まりました。
評価と今後の展望
現場からの評価も高く、今後はCRMと社内システムでの自動化をさらに進め、年間で1000時間の時間創出を見込んでいます。さらに、マクニカは以下の取り組みを進めていく予定です。
1.
UiPath Document Understandingの導入
非構造的データの自動化のために、ドキュメント周りの自動化を進めます。AIを活用して非構造化データを読み込ませ、RPAで処理することで、既存の紙ベースの業務を多く自動化します。
2.
市民開発の拡大
56名の従業員がすでに市民開発の研修を受けており、今後は自動化が進んでいないコーポレート部門にも研修を展開予定です。これにより、全社的な業務効率化を目指し、年間3500時間の時間創出を計画しています。
3.
Test Suiteを活用したSAP S/4HANAへの展開
近未来のRISE with SAP移行に向けて、ERPとの連携も計画されています。
マクニカホールディングスのCIO兼IT本部長である安藤啓吾氏は、「個々の作業自動化が進んだ今、複数組織間のプロセスを自動化する必要があります。UiPath Platformは最適なソリューションです。」と語っています。
UiPathのプロダクトマーケティング部長である夏目健氏も、UiPath Platformの導入を喜び、同社のIT・DX推進を全力で支援していく意向を示しました。
まとめ
マクニカの挑戦は、単なる業務自動化にはとどまらず、より価値のある工作環境の構築を目指しています。今後、マクニカがどのように精力的に進化を遂げていくのか、期待が高まります。