大学教員のChatGPT利用、業務活用は3割だが導入を希望しない層が5割も!
近年、注目を集める生成AI「ChatGPT」。その大学における利用実態を、マンガ形式のDX人材育成サービス「MENTER」を提供するWHITE株式会社が調査しました。全国の国公立・私立大学教員427名を対象とした調査では、ChatGPTの認知率は96.0%と非常に高いものの、大学での業務活用率は32.7%にとどまり、一方で導入を希望しない層が52.9%と、活用に対する温度差が明らかになりました。
教員のChatGPT活用状況:情報収集や翻訳に活用、教材作成には2割程度
調査によると、大学教員はChatGPTを主に「情報収集」「翻訳」「文書の要約・生成」に利用していることがわかりました。特に情報収集では56.0%、翻訳では53.7%が活用しており、これらの業務効率化に役立っていることがうかがえます。一方、教員のコア業務である「問題・教材の作成」に活用しているのは26.9%と、まだ活用が進んでいない状況です。
導入を希望しない理由:情報正確性への懸念、利用ガイドラインの不足
導入を希望しない理由として、最も多かったのは「アウトプットされる情報の正確性」に対する懸念でした。生成AIは、学習データに基づいて回答を生成するため、誤った情報や偏った情報が含まれる可能性があり、特に教育機関においては正確性が重要視されます。
また、「利用ルール・ガイドラインが整備されていない」という声も39.5%と多く、導入前に適切なルールやガイドラインを整備する必要性も浮き彫りになりました。
生成AIは教育現場の未来を大きく変える可能性を秘めている
WHITE株式会社の横山代表は、生成AIは教育機関にとって大きな可能性を秘めていると述べています。問題や教材の生成、校務/事務作業の省力化、授業の品質向上など、様々な場面で活用できる可能性があります。一方で、今回の調査結果から、導入には情報正確性への懸念や利用ガイドラインの整備など、課題も多く存在することが明らかになりました。
生成AIを教育現場で安全かつ効果的に活用するためには、情報正確性の担保、倫理的な問題、プライバシー保護など、様々な課題解決に向けて、大学関係者や企業が協力し、積極的に取り組む必要がありそうです。