神戸・ポートアイランドで新たなバイオの未来を築く
2023年7月29日、神戸市のポートアイランドにおいて、日揮ホールディングス株式会社が「世界初」となるガス発酵を用いたバイオものづくり研究棟の起工式を執り行いました。このプロジェクトは、持続可能な未来を見据えた国家プロジェクトの一環として、温室効果ガスの削減を目的としています。
起工式の様子
起工式には、日揮HDの佐藤雅之会長CEOをはじめ、株式会社カネカの角倉護副社長、株式会社バッカス・バイオイノベーションの近藤昭彦社長、そして島津製作所の稲垣史則専務執行役員など、関連企業の重要なメンバーが一堂に会しました。式典の中では、神事として鍬入れを行い、事業の安全を祈願しました。また、経済産業省の南亮商務・サービス審議官や、NEDOの林成和理事、神戸市の久元喜造市長からのご挨拶があり、プロジェクトの意義と期待が共有されました。
プロジェクトの背景
この研究棟の設立は、日揮HDと4つの関連企業(カネカ、バッカス、島津製作所)が共同で提案した「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」プロジェクトの一部として進行しています。このプロジェクトは、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指し、国が進める『グリーンイノベーション基金事業』に採択されており、具体的には、CO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進を目的としています。
研究棟の概要
新設される研究棟は、兵庫県神戸市中央区港島南町に位置し、敷地面積は約10,000平方メートルに及びます。4階建ての建物で、延床面積は約4,000平方メートルとなります。ここには、生産プロセスの段階的なスケールアップや、生産実証を行うためのベンチスケールガス培養槽が設置される予定です。これにより、バイオ生産の新たな実績を積み上げることが目指されています。
今後の展望
研究棟の着工は2024年8月、竣工予定は2025年12月とされています。日揮HDは、この新たな研究拠点を中心に、バイオものづくりの具体的な社会実装を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献することを表明しています。この取組は、今後の地球環境への影響を考慮しつつ、次世代型の製造技術の発展にも寄与するでしょう。
ポートアイランドに誕生するこの研究棟は、バイオ業界における新たな節目となることが期待されています。持続可能な社会の実現に向けて、私たちの未来を明るく照らす光となることを願うばかりです。