コズムが推進するAI外観検査の新時代
株式会社コズムが、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するために、株式会社中央発明研究所にAI外観検査ソリューション「COSM AI VISION」の導入を決定しました。このソリューションは、高精度なAIを用いることで、多様なワークに対応した検査工程の自動化と品質保証を可能にします。
導入の背景
中央発明研究所は、化学製品やそれを使用する装置の開発・製造を行う企業ですが、特に含浸加工工場では精密な部品の取り扱いが多く、安定した製品品質を確保するためには堅実な検査体制が不可欠です。これまで、人手による目視検査に依存していたため、検査員ごとの差異による品質のばらつきや見逃しリスクが課題でした。
この問題を解決するため、中央発明研究所は検査工程の見直しを進め、「COSM AI VISION」の導入を決断しました。これにより、あらゆる検査基準の均一化とプロセスの自動化が期待されています。
「COSM AI VISION」の機能
「COSM AI VISION」は、ソフトウェアとハードウェアを統合した一貫したソリューションで、次のような特長があります:
1.
トータルパッケージ
- AIアルゴリズムや検査用ソフトウェアだけでなく、必要なカメラやコントローラーといったハードウェアも提供されており、導入から運用までスマートにサポートします。
2.
少量多品種対応
- 一つのラインで類似形状の異なる部品を検査できる独自のAIモデルを採用しており、生産現場の柔軟性を向上させます。
3.
多様なセンシング手法
- 高画質カメラ、偏光カメラ、赤外線センサーなどのさまざまな技術を駆使し、高精度な欠陥検出が可能となります。
4.
データの可視化
- AIが出した検査結果を数値で可視化することで、ブラックボックスを防ぎ、誰でも納得できる結果を提供します。これにより、検査プロセスの信頼性が向上します。
5.
トレーサビリティの強化
- 検査の履歴や画像データが蓄積され、製品の追跡が容易になり、工程改善にも役立ちます。
AI外観検査の具体的な方法
「COSM AI VISION」では、ワークを流すコンベアにエリアスキャンカメラを取り付け、多方向からの撮像による高精度の外観検査を行います。移動中のワークを3方向から撮影することで死角を極力排除し、従来の手法では見逃されがちな欠陥を捉えられる仕組みが整っています。また、ワークを安定的に搬送するための専用の樹脂トレイもコズムが設計・製作しています。
導入による期待される成果
「COSM AI VISION」の導入によって、以下のような成果が見込まれています:
- AIによる自動化を通じて、誰が検査を行っても同じ判断を実現し、品質の向上が見込まれます。
- 自動判定による検査時間の大幅な短縮が期待され、結果的に抱えるコストの削減にもつながります。
- 検査工程が簡素化され、新しい人材の教育にかかる負担が軽減されます。
今後の展望
中央発明研究所は、今回のAI外観検査ソリューションの導入を踏まえ、さらなる効率的な生産体制の構築を進めていく方針です。今後は、5品種の部品からさらに多様な製品に展開し、AI検査の導入を全面的に進めていく予定です。また、AIの精度向上を図ることで完全自動の製造が実現できる未来を見据えています。
このように、コズムの「COSM AI VISION」は、製造業に革命をもたらす可能性を秘めており、さらなる業界の成長を促進する役割を果たすことでしょう。今後の活用がますます楽しみです。