いすみ鉄道の『キハ28-2346号車』保存プロジェクト
いすみ鉄道は、2022年11月27日をもって、国鉄キハ58系の最終営業車両である「キハ28-2346号」の定期運行を終了することを発表しました。この車両は1960年代に製造され、累計1,800両以上が生産された中で、唯一の営業車両としての地位を築いてきました。約9年8カ月にわたり、多くの乗客に親しまれ、大人気のレストラン列車として観光列車の中心的存在となっていましたが、エンジンの部品確保や維持に多大なコストがかかることから、運行終了を決定せざるを得なかったのです。
車両の希少性と保存の重要性
「キハ28-2346号」は全国に約1,800両存在したキハ58系の中で、最後の営業車両です。この貴重な車両は、いすみ鉄道のシンボルとも言える存在であり、長い歴史を持つため、さまざまな世代から愛されてきました。残念ながら、今後の運行は難しいと判断したものの、この車両を保存し、次世代へ引き継ぐことは極めて重要です。そこで、いすみ鉄道はクラウドファンディングを活用し、地域の力を借りながらこのプロジェクトを立ち上げることにしました。
実現を目指す保存プロジェクト
このプロジェクトの目的は、キハ28-2346号をいすみ鉄道の国吉駅に保存し、その姿を未来に残すことです。支援金は、レーザースキャンおよびフォトグラメトリーを用いて、この貴重な車両の3Dデータを作成するために使用されます。さらに、このデジタルデータをNFT化することで、所有者の明確化とともにその価値を高めることを計画しています。
また、プロジェクトの支援者にはさまざまなリターンが用意されており、乗車体験やオリジナルグッズなど、参加者を楽しませる工夫が盛り込まれています。
資金の使い道
集まった資金は主に以下のように使用されます:
- 車両のレーザースキャンとフォトグラメトリーを実施します。
- 車体の塗装や老朽化防止措置に充てられます。
プロジェクトのスケジュール
このプロジェクトは2022年11月18日から2023年1月15日までの期間でクラウドファンディングを実施。支援者へのリターンは2023年2月に発送される予定です。保存施設の完成は2023年春から夏を見込んでおり、3Dデータの作成も同年内に行われる予定です。
地域を守るローカル鉄道として
いすみ鉄道の社長、古竹孝一氏は、地域のシンボルとしての鉄道を盛り上げるために日々努力しています。台風や豪雨、そしてコロナの影響を受けつつも、地域の皆様と協力しながら、少しずつ復興を目指しているとのことです。古竹氏は、定期運行が終了することを非常に残念に思い、旧国鉄車両が地域をつなぐ象徴であり続けてほしいと願っています。
今後のいすみ鉄道には多くの課題が待ち受けていますが、クラウドファンディングの支援を受けて、アナログとデジタルを融合させて、次世代にしっかりと伝えていく意志を持っています。地域の役割を果たし続けるためのこれからの挑戦を、応援していきたいものです。 整備費用などの支援も根強く求められています。
会社概要とプロジェクト詳細
いすみ鉄道株式会社の所在地は千葉県夷隅郡大多喜町大多喜264。代表者は古竹孝一氏で、近年は地域振興に力を入れています。クラウドファンディングの詳細は、公式HPや専用ページで確認できます。
それでは、みんなで、この貴重な鉄道の歴史を未来へとつないでいきましょう!