新たなハイパー核測定法
2025-08-29 14:12:16

深層学習と写真フィルムを活用したハイパー核質量測定の新手法

深層学習を用いたハイパー核の質量測定



理化学研究所で行われた国際共同研究から、ハイパー核の質量を高精度で測定する新たな方法が発表されました。この研究チームは、深層学習モデルを用いて、特別な写真フィルムから得られたデータを解析し、最も軽いハイパー核「ハイパートライトン」とその次に軽い「ハイドロジェン4ラムダ」を同定しました。これにより、過去のデータに新しい視点が加わり、さらなる研究の基盤となる可能性があるとしています。

研究の背景



研究は、茨城県にある大強度陽子加速器施設「J-PARC」で行われた実験を基にしています。こちらでK中間子ビームを照射し、その結果として生成されるハイパー核の情報を収集しました。特に注目されたのは、実験データが記録された特別な写真乾板です。これらのデータを精密に解析するため、深層学習の技術が利用されました。

深層学習による分析手法



従来の方法では、飛跡の解析によるノイズが問題となっていました。しかし、今回の研究では、深層学習を駆使して、ハイパー核の信号を明確に同定しました。特に、様々な粒子による背景ノイズを排除する手法が成功したため、質量の精度を向上させることができました。これにより、同じ実験から2種類のハイパー核の質量を同時に測定することが可能になりました。

測定結果とその意義



測定されたハイパー核の質量から導き出された束縛エネルギーは、50年前に取得されたデータと比較して、若干大きな値が示されました。これは、過去のデータを見直す必要があることを示唆しています。さらに、系統誤差の定量的評価も行われ、信頼性の高い結果が得られました。

研究の展望



この成果がもたらす影響は計り知れません。原子核や物質の成り立ちをより深く理解するための強力な基盤ができたと言えるでしょう。こうした新手法は、今後も他の種類のハイパー核に対する測定にも応用可能であり、原子核物理学の進展に寄与することが期待されています。

論文情報



本研究の成果に関する詳細は、学術論文刊行誌『Progress of Theoretical and Experimental Physics』にて8月20日に公開されました。また、研究の詳細についてはプレスリリース資料も参照してください。

この新たな手法の発展により、物理学の未解明な部分が徐々に明らかになることを期待したいです。


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