株式会社フォーディクスが自律型自動実験システム「LFA2000シリーズ」を発表
株式会社フォーディクス(東京都文京区本郷)は、国際的なラボオートメーションの進展に対応するため、自律型自動実験システム「LFA2000シリーズ」を発表しました。このシステムは、特に新薬開発などの領域で日本が抱える競争力の低下に立ち向かう先進的なソリューションです。2024年9月4日から6日まで開催されるJASIS2024に出展される予定です。
日本のラボオートメーションの現状
コロナワクチンのような新薬開発において、日本は海外に大きく遅れを取っています。多くの時間がかかる実験準備やデータ解析などのプロセスが、人間の経験や能力に依存しているために、人的ミスや作業中のタイムロスが頻発しているのです。特に、ロボットやAI技術を活用したオートメーションは、欧米では進展を見せていますが、日本では初期投資の高額さが普及の妨げとなっています。
「LFA2000シリーズ」の特長
フォーディクスが開発した「LFA2000シリーズ」は、実験のすべてのプロセスを完全に自動化できる点が大きな特徴です。材料探索、実験条件の絞り込み、結果の解析をAIが行うことで、高速かつ高精度な実験が実現されます。これにより、従来の人力実験の100倍以上の速度を達成できたとのことです。
さらに、このシステムは継続的な連続実験を実現しつつ、ワンオペレーションで操作可能です。そのため、従来の人手による作業からの大幅な省力化が期待でき、長時間の実験を行う際のコスト削減にもつながります。
実績とシステムの柔軟性
当社は、2023年3月に材料国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)と協力した実験プロジェクトでも、LFA2000の実力を示しています。このプロジェクトでは、リチウム空気電池のための電解液開発を行い、人力の100倍の速度で実験が遂行されました。
「LFA2000シリーズ」では、各種実験機器や測定機器と連携し、機器の交換も可能です。これにより、多様な用途に応じた柔軟性を持ちつつ、導入コストを大幅に削減することが可能です。ソフトウェア「NIMO」を用いることで、実験全体を無停止で管理し、手順をモジュール化しています。
まとめと期待
代表の武多浩道氏は、「我々の自律型自動実験システム『LFAシリーズ』は、手間のかかる実験工程を自動化し、研究者の負担を軽減することで、研究の質を向上させることができると考えています。また、探索系の実験に革命的な変化をもたらすでしょう。」と自信を寄せています。
今後の展望として、LFAシリーズは、日本が見失いつつあった世界的な競争力を復活させ、新薬開発や製造業などさまざまな分野に他国に負けない高い成果をもたらすことが期待されています。2024年の第27回JASISでは、実際の機能を体験することができる貴重な機会ですので、多くの方の来場が望まれます。