近畿大学、医療教育にVRを導入
近畿大学(大阪府東大阪市)は、2025年11月に新たに開設する「近畿大学おおさかメディカルキャンパス」で、株式会社ジョリーグッドの医療教育用VRプラットフォーム「JOLLYGOOD+」を導入することを発表しました。この取り組みは、医療教育の質を向上させ、地域医療の人材育成を加速することを目的としています。
VR導入の背景
近畿大学は新病院に移転し、看護学部の新設を行うことに伴い、最新の医療設備やVR・AI技術の導入を進めています。このデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、実践的な医療教育を提供するために、360°のVR教育システム「JOLLYGOOD+」が選ばれました。
導入の具体的内容
「JOLLYGOOD+」では、複数台のVRゴーグルに加え、医療従事者が自ら教育コンテンツを制作できるセルフ撮影システム「JOLLYGOOD+make」も導入します。このシステムにより、医学生、研修医、新人看護師、さらには既存の医療スタッフまでが対象となり、さまざまな医療シーンを体験しながら学ぶことが可能となります。
教育の質向上に向けた期待
近畿大学では、このVRを通じて以下のメリットが期待されています。
実践力の早期習得
VRゴーグルを通じて医師や看護師の目線で手術や処置、チームワークを体験することで、従来の学習に比べて学習スピードが4倍に増加します。これにより、学生たちは実践的なスキルを短期間で習得できるのです。
教育の均質化と指導者負担軽減
仮想環境で名医の手技や稀な症例を学ぶことができるため、教育の質が一定し、指導者の負担も軽減されます。これにより、医師たちの働き方改革にも寄与することが期待されています。
看護学部新設への貢献
2026年4月に新設される看護学部では、600本以上のVRライブラリを活用し、高度な臨地実習の代替教育を実施することで、看護師の離職防止にも貢献します。
VRコンテンツの共創
新たに導入される「JOLLYGOOD+make」によって、診療科や職種を超えた連携が可能になり、各科が独自のVRコンテンツを制作・活用する体制が確立される予定です。これにより、特有のノウハウや希少な症例の共有が進み、全体的な医療教育の質が向上するでしょう。
近畿大学おおさかメディカルキャンパスについて
この新しいメディカルキャンパスは、近畿大学が医学部・病院開設50周年を迎える重要なプロジェクトです。地域医療の水準向上と災害医療体制の強化を図りつつ、最新の医療技術と医療教育を融合させていきます。
関係者からのコメント
近畿大学病院の小児科講師、宮崎紘平氏は、「新しい教育環境を整え、VRを日常の教育ツールとして取り入れることで、学生の学びの幅を広げていきたい」と期待を寄せています。また、ジョリーグッドの代表取締役CEO、上路健介氏は、「新キャンパス開設という素晴らしいタイミングで、病院DXを推進することができる」と感慨を述べています。
VR導入のデファクト化を目指して
ジョリーグッドは、全国200以上の医療機関への導入実績をもとに、近畿大学と協力して先進的なVR活用モデルを構築していきます。日本の医療教育と病院のDX推進に貢献するため、教育機関と連携し、技術の革新を続けていきます。
詳しい情報は
公式サイトをご覧ください。