大阪大学とNTTプレシジョンメディシンの共同研究
大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻とNTTプレシジョンメディシン株式会社が、高血圧対策に向けた保健指導の個別最適化に関する共同研究を開始しました。この研究は、NTTコホートから得られる健康診断データや遺伝子情報などを活用し、個々人に最適な保健指導プログラムの確立を目指すものです。
1. 高血圧の背景とその重要性
高血圧は循環器系疾患における主要なリスク因子であり、国内には約4300万人の高血圧患者が存在します。高血圧は未発症からの早期対策が求められ、特に就業世代においては、生活習慣の改善が急務とされています。しかし、現在のところ、効果的な予防策が十分に施されているとは言えず、非薬物的治療法に関する効果的なアプローチも確立されていません。
遺伝子情報が高血圧に対する反応に影響を及ぼすことが示唆されており、本研究ではこの遺伝情報を利用したオーダーメイド診療の可能性にも着目していきます。
2. 研究の目的
本研究の主な目的は、個人の遺伝子情報に基づく保健指導がどのように高血圧の改善に寄与するかを明らかにすることです。それにより、高血圧に特化したカスタマイズされた保健指導プログラムを開発し、より効果的な健康管理を実現することを目指しています。
3. 研究の内容
研究に参加する人々に対して、3ヶ月間にわたり特別に設計された保健指導プログラムを実施します。その前後で、家庭での血圧測定値、推定塩分摂取量、ナトリウムとカリウムの比率(Na/K比)などのデータを収集し、遺伝子情報と合わせてこれらの効果を検証します。
4. 各機関の役割
この共同研究において、
- - 大阪大学は、保健指導プログラムの設計や実施、データの収集と分析を担当します。特に、大学院医学系研究科保健学専攻の神出計教授が研究を代表し、指導を行います。
- - NTTプレシジョンメディシンも同様に保健指導プログラムの検証や実施を行い、データの収集・分析をサポートすることで、研究対象者のサポートに尽力します。
5. 今後の展望
本研究が成功した場合、大阪大学は有効性が確認された場合、糖尿病や脂質異常症など他の生活習慣病への応用も視野に入れ、特に勤労世代の健康を支えるための新たな疾病予防策を提供することを目指します。また、NTTプレシジョンメディシンは、特定保健指導メニューを通じて、研究で得られた知見をもとに、高血圧対策を新たに盛り込んだ保健指導を実施することで、効果的な健康管理の提供を目指します。
構成要素: NTTコホートと双方向コミュニケーション
NTTコホートは10万人を超える健康管理データを有し、長期的に双方向のコミュニケーションを可能にしているため、参加者と研究者の間に新しいデータの収集が実現できます。これにより、多角的な分析が可能な新時代の研究が進展するでしょう。
この取り組みにより、高血圧 تنهاの改善にとどまらず、広範な生活習慣病への対策が期待される中、多くの人々の健康的な生活を促進する検討が進められています。