新たな歯科治療の助けとなるAI技術
2024年5月15日(水)、Dental Brain株式会社は国内初となる無料のAIセファロ分析システム「DIP Ceph」のベータ版を発表しました。この画期的なシステムは、矯正歯科の診断プロセスを大きく変える可能性を秘めています。実際、セファロ分析は顎顔面の構造や歯の位置関係を明確にし、治療目標を設定するための重要なツールですが、一般の歯科医には取り扱いが困難なことが多いです。
セファロ分析の重要性と導入背景
セファロ分析は、矯正歯科の基盤となるダイナミックな診断手法です。この方法を利用することで、医師は顎の骨格に最適な治療計画を立案でき、より高い予知性で美的かつ健康的な治療結果を導くことが期待されています。しかし、特に忙しい歯科医師にとって、この分析を行うことは高い負担となっていました。
このような状況を改善すべく、Dental Brainでは、DIP法という新しいアプローチを開発しました。DIP法は、特許出願中で、AI開発チームと共に協力して進化したシステムです。これにより、既存の手法では達成できなかった業務効率の向上が見込まれます。
DIP Cephの特色ある機能
「DIP Ceph」には複数の画期的な機能が搭載されています。その中でも特筆すべきは、以下の三つの機能です。
1. デュアルインサイザルプランニング法(DIP法)
この方法により、視覚的な治療目標が数値化され、矯正デジタルモデルにセファロ分析結果を簡単に反映させることが可能になります。アナログやデジタルのモデルを問わず、幅広い適用が期待されます。
2. フルスケールAIトレース機能
矯正歯科専門医に対応した完全なAIトレースを提供しており、今後さまざまなセファロ分析にも対応予定です。この機能は、従来の簡易AIトレースとは異なり、高度な精度を誇ります。
3. AI支援自動重ね合わせ解析機能
この機能は、簡便かつ高精度な重ね合わせ分析を実施できるものです。常に再現性の高い結果を得ることができ、治療の目標に向けたナビゲート役となります。
現在、DIP Cephのベータ版は全機能を無料で提供中です。詳細や登録方法については公式サイト(
https://dipceph.com)をご覧ください。
Dental Brain株式会社のビジョン
Dental Brainは「AIの力で歯科・矯正歯科の革新に挑戦する」を掲げ、2023年に設立されました。今後も多様なプロジェクトを通じて、歯科医療のAI化を進め、より良い治療環境を提供することを目指しています。創業者の綿引淳一氏や内田友幸氏を中心に、専門的な背景を持つメンバーが集まり、革新を追求しています。
この新システムの導入が、今後の歯科治療の在り方を大きく変える鍵となることを期待しています。