貿易業務のDXを加速する新たな連携が実現
近年、貿易業務のデジタル化が急速に進展しています。特に、新型コロナウイルスの影響により、業務の効率化と、ペーパーからデジタルへの移行が求められています。このような中で、株式会社Zenport(東京・渋谷区)は、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(東京・港区)との連携を発表しました。
新たに提供される「ZenSync for FUJIFILM IWpro」は、グローバルサプライチェーンにおけるデータ管理を一層強化することを目的としています。FUJIFILM IWproは、文書の自動取り込み、仕分け、データの共有と管理、出力機能まで備えたクラウドサービスであり、デジタル業務に必要な機能がすべて揃っています。これにより、貿易関連の書類——船積書類や通関書類——を効率よく処理することが可能となります。
貿易業務は、従来、紙媒体でのやり取りが主流でしたが、最近の法改正により、電子的なデータ保存の必要性が高まっています。2021年には、電子帳簿保存法の改正により、取引情報の電子データ保存が新たなルールになりました。また、関税法においても同様の動きが見られ、企業はそれに対応するためのシステムを導入することが求められています。しかし、国内業務とは異なる構造を持つ貿易書類の取り扱いが、依然として企業の課題となっています。
この新しい連携により、Zenportは、自社と取引先との間でやり取りされる関連書類を、同時にFUJIFILM IWproへ自動保存することができます。その結果、書類の管理や提出が一元化され、業務の効率化が図れるのです。特に、構造化データと非構造化データをシームレスに統合できることは、貿易業務におけるデジタル・トランスフォーメーションを加速させる要因となります。
富士フイルムビジネスイノベーション社も、この連携に対する期待感を表明しており、同社の営業部門の瀧澤基氏は「お客様の業務プロセスやシステムをつなぎ、ワンストップでのデジタル化を支援することを目指しています」と述べています。また、文書管理に関するノウハウを活かし、貿易業務の効率化を促進することができると確信しています。両社は今後も、変化が激しいグローバルサプライチェーンの課題に対して、革新的なソリューションを提供し続けるとしています。
このように、Zenportと富士フイルムビジネスイノベーションの連携によって実現するデジタル化の流れは、貿易業界にとって重要な一歩となるでしょう。特に、ペーパーレス化になじみのない伝統的な業務スタイルからの移行が進む中、これまでの業務フローを見直す機会でもあります。今後も両社の動向に注目です。
会社情報
- 会社名
-
株式会社Zenport
- 住所
- 東京都渋谷区千駄ヶ谷1-19-9-303
- 電話番号
-
03-6811-5815