心血管疾患予測モデル
2024-10-21 14:46:03

次世代医療を見据えた心血管疾患予測モデルがKDD 2024で発表

KDD 2024で発表された心血管疾患予測モデル



2024年8月26日、機械学習分野の権威あるカンファレンス「KDD 2024」で、キャンサースキャンの藤岡裕平研究員や三澤大太郎氏、京都大学の福間真悟教授、滋賀大学の池之上辰義講師と共著による論文が採択されました。この論文では、医療費請求データを用いた心血管疾患の予測モデルの開発とその実用性について解説しています。

研究の背景


レセプトデータは、患者の診療内容と診断結果、さらにはそれに付随する費用情報を含む重要なデータソースです。最近では、これらのデータを分析し、疾患の予測や健康管理に役立てようとする研究が進んでいます。しかし、レセプトデータは医学的に構造化されていないため、分析を行う際のスムーズさには限界がありました。

研究の目的と概要


本研究では、2014年4月から2022年3月までの全国レベルでの保険者レセプトデータを使用して、心血管疾患(MACE)のリスクを高精度で予測するモデルの開発を目指しました。MACEは、心筋梗塞や脳血管疾患、心不全、末梢動脈疾患などの複合疾患であり、予防が急務とされています。

そこで、我々は「Cross Attention」メカニズムを活用し、診断と治療データの関係性を効果的に重み付けして予測に反映させる手法を確立しました。具体的には、月次の診断データと治療データをTransformer Encoderを使って変換し、その結果をCross Attentionを用いて関連性を考慮しながら特徴ベクトルとしてまとめました。さらに、健康診断データを加え、MACEを予測する新しいモデルを構築しました。

研究結果


私たちが提案したCross Attentionに基づくモデルの成果は明らかで、ROC-AUCスコアは0.7720という高い値を記録しました。この数値は従来のベンチマークモデルであるLGBMやSelf Attentionモデルを上回るもので、Cross Attentionを用いることで予測精度が向上することを示しました。

応用の可能性


本研究の結果は、心血管疾患リスクの高い人々を精度良く特定できることから、日本全国の健康増進サービスの向上につながる可能性があります。さらに、この手法は他の疾患予測にも応用できるPre-Trained Modelの開発に繋がることが期待されます。

まとめ


心血管疾患は世界的な健康問題であり、その予防と早期発見は急務です。本研究を通じて、医療データの分析が新たな技術的進展を迎えていることが確認され、これからの健康管理において重要な役割を果たすことが予想されます。

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