結晶の新しい動き
2026-08-27 10:58:12

結晶の複雑さを設計し、新たな動きをプログラムする研究

結晶の複雑さを設計し、新たな動きをプログラムする研究



高知工科大学の大学院生・樋野優人さんと林正太郎教授らの研究グループは、他大学の研究者とも協力し、結晶の設計に革命をもたらす新たな手法を発見しました。これまでの研究では、結晶構造は「単純で規則的」であることが理想とされてきましたが、今回の研究ではあえて「複雑さ」を取り入れることで、熱による変化に応じた結晶の動きを制御することが目指されました。

研究の概要と意義



本研究では、「複雑さ」を意図的に設計することで、結晶内に異なる分子環境が共存する仕組みを作り出しました。この新たなアプローチは、従来の材料設計の枠組みを超え、分子構造からその内部にどこまで複雑さを織り込むかを考慮するものです。この「複雑さ」は、結晶の特性を大きく変化させる可能性を秘めています。

研究の成果は、2026年8月18日に発行される国際学術誌「Small」に掲載予定です。この研究は、材料科学分野において非常に高い評価を得ています。

新たに発見された「high-Z′結晶」



開発された新しい分子BBPAは、アントラセンという剛直な骨格に「動きやすさ」を持つ部分を組み込んで設計されています。この設計により、同じ分子でありながら内部に5種類の異なる居場所を持つ複雑な結晶構造を形成するhigh-Z′結晶が実現されました。この結晶は温度の変化に伴い、分子が動き出し、協調して再配置されることによって独特の対称性を回復することが観察されました。

加熱を行うと、約150℃で明確な構造変化が起こり、分子が動き出します。この動きによって結晶全体は特定の方向に急速に伸びていきます。さらに、冷却することでこの構造変化も可逆的であることが確認され、その結果、材料としての耐久性と再現性も実証されました。

複雑さを持つ新材料の応用可能性



この研究の成果は、様々な分野での応用が期待されています。例えば、素材が温度、光、圧力などの刺激に反応し、自ら形状や特性を変えることができるセンサーやアクチュエーター、さらには形状記憶材料への応用が考えられます。将来的には、複雑さをうまく設計することで、単に機能的な材料だけでなく、これまでにない新しい用途の材料を生み出せるかもしれません。

結論



今後の研究や開発により、今回のような複雑さをプログラムできる材料は、様々な分野で革新をもたらすことでしょう。この高知工科大学の取り組みは、先端的な材料設計における新たな可能性を開くものとして、今後の進展に注目が集まります。


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会社情報

会社名
高知県公立大学法人 高知工科大学
住所
香美市土佐山田町宮ノ口185
電話番号
0887-53-1111

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