ユーグレナが描く未来へのビジョン
株式会社ユーグレナは、2026年8月19日に開催した決算説明会で、持続的成長を実現する「強い会社」へ向けた新たな戦略を発表しました。この説明会において、約4年半ぶりに代表取締役社長の出雲充が登壇し、企業の現状を詳しく説明しました。ユーグレナはかつて赤字が続いていた時期もありましたが、収益基盤の強化を進めた結果、2026年上半期には9事業年度ぶりとなる黒字化を達成しました。
出雲社長は、冒頭で「良いことをやっているが赤字の会社から、持続的に価値を創出する強い会社へ変わる」と強調しました。これは、社会課題の解決と事業の拡大を両立させることを目指すものであり、収益基盤の強化を進めていることが伺えます。2026年上半期の売上高は265億円(前年同期比8%増)、営業利益は18.7億円(同14%増)とし、当期純利益は2期連続で黒字化。他の事業とともに、特にヘルスケア事業の成長が大きく寄与したと言えます。
ヘルスケア事業の新たな顧客層
ユーグレナのヘルスケア事業は、従来のシニア層に加え、子育て世代へのアプローチが進み、新たな顧客を獲得しています。特に「からだにユーグレナ」シリーズは、忙しい子育て世代のニーズを反映した商品開発とSNSを活用したマーケティングにより、新規顧客数が前年同期比で約9倍に達しました。この成果は、商品設計の工夫や情報発信の効果によるもので、12,000人を超える定期顧客数を誇ります。
さらには、ユーグレナ社内の各グループでもノウハウの共有や連携が進み、全体の売上成長が実現されています。出雲社長は、「良い商品を開発し、必要とされているお客様に届けることで生まれる好循環」が重要であると語り、オーガニックな成長が業績を牽引していると強調しました。
バイオ燃料事業の進展
ユーグレナはまた、バイオ燃料事業においても着実に前進しています。2028年に稼働予定のマレーシア商業プラントの工事が順調に進んでいることが報告され、持続可能な航空燃料(SAF)や次世代バイオディーゼル燃料(HVO)の供給準備が進んでいます。この事業の実績は130件を超え、社会実装が進んでいます。出雲社長は、日本国内では市場がまだ立ち上がりつつある段階であり、今後の需要拡大に対応する供給体制の構築が重要であると述べました。
アグリ事業の成長と循環型モデル
アグリ事業も堅調に推移し、前年同期比で10%の売上増加を記録しています。この成長は、ユーグレナ由来の原料を利用した肥料事業の展開によるものです。「藻力」などの主力製品は農業分野に広まり、「ユーグレナ育ち」認定製品も増加中で、米や野菜、卵、ブリ、ウナギ、クルマエビなど多岐にわたって展開されています。
このアグリ事業は、バイオ燃料事業とも密接に連携しており、ユーグレナ社は循環型の事業モデルを構築しながら市場拡大に取り組んでいます。社会課題の解決と産業価値の創出を両立させることが期待されています。
2030年に向けた成長戦略
説明会では中長期的な成長戦略も語られました。ユーグレナは、ヘルスケア事業、アグリ事業の拡大、そしてバイオ燃料商業プラントの本格稼働を通じて、2030年までに売上高1,000億円規模、調整後EBITDA160億円相当の事業基盤の構築を目指します。出雲社長は、「良いことをやっているが赤字の会社には戻らない」とし、社会課題解決と事業成長を両立させることに取り組む強い意志を表明しました。
今後の情報発信
ユーグレナは今後もヘルスケア事業、アグリ事業、バイオ燃料事業の進展について積極的な情報発信を行い、企業価値の向上と社会課題解決の両立を目指します。