自然を感じる特別な日、苔の日
青森県十和田市に位置する「星野リゾート奥入瀬渓流ホテル」では、毎年8月10日の「苔の日」に、地域の中学生を対象とした特別な体験イベントが開催されました。今年は、奥入瀬渓流の豊かな自然を背景に、苔を通じた学びを深める貴重な機会が用意されました。
苔の魅力に触れる「コケさんぽ」
参加した中学生は、新たに登場した「おいらせコケバス」に乗り込み、最初のアクティビティ「コケさんぽ」に参加しました。この体験は、地域内で苔に魅力を感じている事業者が主催しており、皆で奥入瀬渓流の名所として知られる「雲井の滝」と「白銀の流れ」に出かけ、ガイドの案内のもと、荒々しい自然の中で生きる苔について詳しく観察を行いました。ルーペを使った観察では、苔の独特な香りや色合いに学生たちは興味津々で、自然の神秘に触れる感動が広がりました。
こけ玉作り体験がもたらす想像力
その後、奥入瀬モスボール工房の指導のもと、小さな奥入瀬をイメージした「こけ玉作り体験」に挑戦しました。生徒たちは、実際に観察した苔の特性を思い起こしながら、自分自身のこけ玉を創作しました。この体験を通じて、より深い自然への理解が得られただけでなく、自身の手で創ることの楽しさも味わったことでしょう。
苔の日の背景と地域の取り組み
今年の体験イベントは、「苔を通じて地域の魅力を観光客に伝えるだけでなく、地元の子どもたちにもその魅力を感じてもらう」という意図のもと策定されました。過去には、苔を観光資源として位置づける取り組みが進められ、多くの専門家や地域の人々が集まり、未来のさらなる観光振興に向けた意見交換が行われました。この際にも、地域の子どもたちが苔の魅力を知ることで、将来的には自然を愛し観光に携わる人材が育てられることが期待されるという話が挙がったのです。
星野リゾートのSDGsへの取り組み
また、星野リゾートは経済価値と社会価値を両立させるCSV経営を推進しており、SDGs(持続可能な開発目標)の達成を視野に入れた活動を展開しています。このイベントは特に目標4「質の高い教育をみんなに」に寄与することが期待され、未来を担う子どもたちの教育的価値を高める大切な手段として位置づけられています。
おいらせコケバスの登場
イベント当日、特別なシャトルバス「おいらせコケバス」も登場し、苔の世界を身近に感じられるユニークな体験を提供しました。このバスは、本物の苔を約10倍のサイズでプリントしたデザインで、多くの参加者にとってインパクトのある経験となりました。さらに、車内には特徴的な苔の壁が施され、学生たちの記憶に強く残ることでしょう。
結論
奥入瀬渓流の苔をテーマにした本イベントは、地域の自然への理解を深めると同時に、観光振興にも寄与する重要な取り組みでした。参加者たちが自然から学び、手を使って体験を共有することで、彼らの心に自然の重要性が根付くことが期待されます。将来的にはこうした取り組みが多くの人に広がり、奥入瀬の自然が次世代に継承されることを願います。