発達障害児を支えるための新たな試み
Swimmy株式会社(代表取締役 菅原優)が、発達障害を持つ小学生を対象にした革新的な水泳特別教育プログラムを今夏からスタートします。このプログラムは、2024年に開催される国際的な障害者スポーツ大会を視野に入れ、インクルーシブスポーツへの関心が高まる中での取り組みです。目標は「誰もが水泳を楽しめる社会」の実現です。
社会的な背景と課題
発達障害のある子供たちが安心して水泳を学ぶ場は、国内で非常に限られています。多くのスイミングスクールが存在するものの、発達障害児を受け入れる教室はごく少数です。主な理由は以下の通りです。
- - 指導者の不足と理解不足:適切な指導者の養成が進んでいないため、専門的な教育が受けられない場合が多いです。
- - 受け入れ体制の不備:スイミングスクール側の施設やプログラムが、発達障害児に適していない場合があります。
- - 集団レッスンの適応困難:一般の水泳教室では、集団での対応が難しいと感じる子供が多いです。
- - 経済的な負担:特別な支援が必要なため、経済的な負担も課題となります。
代表の菅原優は自身もかつては障害者スポーツへの関心が薄かったと告白しています。しかし、保護者の声を聞いたことで、自ら行動する必要性を強く感じ、今回のプログラムに取り組むことを決意しました。
Swimmyの挑戦
Swimmyは2021年にスポーツ庁の「Sport in Life」事業として発達障害児向けの水泳教室を実施しました。その結果、参加した約80%の子どもたちが「水泳が好きになった」という嬉しい反響がありました。しかし、このプログラムの継続には大きな課題が存在しました。それは、個々のニーズに応じた指導には多くのサポーターが必要であり、資金面での問題が特に大きかったのです。
現在、Swimmyは科学的に効果を検証することで、自治体との連携の道を開こうとしています。各地域で類似のプログラムを展開し、発達障害児が水泳を安心して楽しめる環境を全国に広げる目標を持っています。
新しい特別水泳プログラムの特徴
この特別水泳プログラムは、以下のような特徴を持っています。
- - 専門家の監修:東京学芸大学の平田正吾准教授の監修のもとで実施。
- - 少人数制・個別対応:指導者1名に対して生徒1〜3名の少人数で、きめ細かい指導を実現。
- - 科学的解析:集団適応能力、集中力、自己効力感の向上を重点的に検証します。
参加者の保護者からは、「水泳に対する恐怖心がなくなり、子供の意欲が高まりました」「通常のクラスでは不安でしたが、ここでは安心して学べます」という声が寄せられており、プログラムの有効性が確認されています。
プログラムの概要
- - 期間:2024年7月30日〜8月23日(全8回)
- - 場所:マイ・エス・スイミング国立(東京都国立市富士見台4丁目30番1)
- - 対象:発達障害を持つ小学生
- - 参加費:無料
今後の展望
Swimmyは、このプログラムで得られる科学的なエビデンスを基に、全国的に発達障害児が水泳を楽しめる環境を広げていく計画です。検証された効果的な手法を使って、地域ごとにプログラムを展開し、より多くの子供たちが水泳を通じて成長できる機会を提供することを目指しています。
私たちの最終的な目標は、このプログラムを通じて、障害者スポーツの未来を担うアスリートたちが育成されることです。将来的には「Swimmyのプログラムが水泳を始めるきっかけだった」という声が多く聞かれることを夢見ています。
取材のお願い
このプログラムの様子や、発達障害児に特化した水泳指導の現場を取材していただければ幸いです。ぜひ、この重要な社会課題に注目していただければと思います。
Swimmy株式会社について
ウェブサイト:
Swimmy公式ウェブサイト