TXP Medicalが集中的なデータ収集効率化技術を国際研究で発表

TXP Medicalが開発したOCR技術の新たな可能性

TXP Medical株式会社は、その革新的な光学文字認識（OCR）技術を駆使し、集中治療室におけるデータ登録の効率化を実現しました。これは、香港大学、タイのシリラート病院、オーストラリアのプリンスチャールズ病院との国際共同研究の成果として、広く注目されています。このプロジェクトは、救急・集中治療の領域におけるデータ管理の革新を目指しています。

研究の背景

集中治療室では、生体モニター、人工呼吸器、血液検査結果など、膨大なデータが毎日生成されています。従来の手法では、これらのデータを手作業で入力する必要があり、医療従事者の時間が浪費されてしまう問題がありました。また、手動入力には誤記のリスクも伴い、これらの問題を解決するためにTXP MedicalはOCR技術の導入を決定しました。

研究の概要

2023年4月から2024年2月まで、香港、タイ、オーストラリアの3カ国で行われたこの前向き多施設観察研究では、重篤な状態の患者を対象に、データをスマートフォンで撮影し、OCRを使用して自動的にデータベースに取り込むシステムを開発しました。このシステムは、様々な医療機器から得られる生理学的な指標や、治療の詳細など、多岐にわたるデータの収集を可能にしました。

主な研究成果

開発したOCRシステムは高い精度を誇り、ICUモニターからのデータ読み取りは95.3%から100%という結果を達成しました。さらに、従来の手作業入力と比較して、患者一人あたりのデータ入力時間を43.9%削減することに成功しました。この成果は、医療現場での時間短縮だけでなく、データの正確性向上にも寄与します。使用者を対象としたアンケート調査も実施し、高い満足度が報告されています。

今後の展望

TXP MedicalはこのOCR技術が新興国などの資源が限られた環境においても、データの収集を標準化する潜在能力を持っていると考えています。今後は、より多様な医療機器への対応を視野に入れ、国際的なデータベースの構築に貢献することを目指しています。現在は、引き続き効果を検証するための研究が進められています。

企業情報

TXP Medical株式会社は、2017年に設立され、「医療データで命を救う」をミッションに、先進的な医療インフラの提供を行っています。代表取締役の園生智弘は、現役の救急集中治療医として医療界の進歩に貢献しています。基幹システム「NEXT Stage ER」は全国の大病院で導入されており、急性期医療のデータプラットフォームとしての役割も果たしています。今後も技術革新に注力し、医療の進化を支援していくことが期待されています。