女性の育休と職場復帰の実態調査:キャリアと家庭の両立、その現状と課題とは?
2024年9月、株式会社COREが26~45歳の女性200人を対象に実施した育休に関する調査で、興味深い結果が明らかになりました。本記事では、調査結果を元に、日本の女性の育休事情と職場復帰後の現状、そして今後の課題について詳しく解説します。
男性の育休取得率の低さと期間の短さ
まず注目すべきは、男性のパートナーによる育休取得率の低さです。調査によると、育休を取得した男性は全体のわずか27%でした。取得期間も短く、「2週間~1ヶ月未満」が最も多く42.59%を占めています。一方、女性の育休取得期間は10ヶ月以上が大半で、男性と大きな差が見られました。この現状は、育児負担の偏在を示唆しており、今後の改善が求められます。
職場復帰後の状況:元の部署への復帰とフルタイム勤務
育休から職場復帰した女性の62.59%が元の部署に戻り、そのうち65.52%がフルタイム勤務を継続しています。復帰後の勤務期間は2年以上が最も多く、育休がキャリア中断に直結するわけではないことが示唆されました。
しかし、この数字の裏側には、女性たちがどのような努力や葛藤を経て職場復帰を果たしているのかという現実も存在するでしょう。時間や体力の制約の中で、仕事と育児の両立に奮闘している女性たちが多くいることは容易に想像できます。
昇進意欲の変化:家庭とのバランスを重視する声
産休・育休明けに昇進意欲に変化があったと回答した女性は10%でした。その理由として、「家庭にコミットしたい」「子供との時間を増やしたい」「労働時間をセーブしたい」といった声が多数を占めました。これは、出産を機に、仕事と家庭のバランスを見つめ直し、価値観の変化が起こったことを示しています。
しかし、この変化は女性特有のものでしょうか?男性にも同様の変化が起こるのか、今後の調査で明らかにする必要があります。
株式会社CORE代表取締役 尾崎莉緒氏からのコメント
株式会社CORE代表取締役の尾崎莉緒氏は、今回の調査結果について、「育休=キャリアダウン」という懸念は必ずしも現実ではないと述べています。多くの女性が育休後も元の部署でフルタイム勤務を継続している事実が、この点を裏付けています。
しかし同時に、男性の育休取得率の低さや、産休・育休明けの昇進意欲の変化など、依然として課題が残されていることも指摘しています。企業として、働く女性だけでなく、男性の意識改革や環境整備にも積極的に取り組む姿勢を示しています。
まとめ:日本の育休制度の現状と今後の展望
今回の調査は、日本の育休制度の現状と課題を浮き彫りにしました。女性側の育休取得率は高いものの、男性側の取得率や期間の短さ、昇進意欲の変化など、解決すべき課題が多く残されています。企業は、より柔軟な働き方や育休制度の整備を進め、男性の育児参加を促進する取り組みを強化する必要があります。また、社会全体として、育児と仕事の両立を支援する環境づくりが不可欠です。
個々の女性の状況は様々であり、キャリアパスも多様化している中で、個々のニーズに合わせた柔軟な対応が求められています。企業や社会全体で、働きやすい環境づくりを進めていくことで、より多くの女性が安心して仕事と育児を両立できる未来を目指していくべきでしょう。