2024年11月の消費意欲指数の現状
株式会社博報堂のシンクタンクである博報堂生活総合研究所は、2024年11月の消費予報を発表しました。この調査は、20歳から69歳の男女1,500名を対象に行われ、消費の先行きに関する詳細なデータを収集しています。調査は2023年10月1日から4日に実施され、消費意欲指数は46.2点と算出されました。これは前月比で1.8ポイントの上昇を見せていますが、前年同月比で1.2ポイントの減少となっています。
11月の消費者の意識
ポジティブとネガティブのバランス
11月の消費意欲にはいくつかの重要なポイントがあります。昨年と比較すると、ポジティブな回答の数は減少しており、特に「秋・冬物の購入」に関する意欲はやや増加している一方で、年末年始に向けた節約意識が強まる結果となっています。具体的には、ポジティブな回答は前月の360件から344件に減少したのに対し、ネガティブな回答は872件から877件に横ばいのままとなっています。
その中でも、ポジティブな意見としては「秋・冬物の購入」が前月の57件から74件に増加した点が挙げられます。一方で、「年末年始に備えた我慢」という意見が14件から42件と増加したことも注目されています。また、「物価高」「値上げ」「円安」といった経済的要因も、今月の消費意欲に影響を与えている状況が伺えます。
買い物意向の変化
消費意向のカテゴリー別動向
「特に買いたいもの・利用したいサービスがある」と回答した人の割合は28.3%で、前月比で1.7ポイント上昇しました。一方、前年比では1.1ポイント減少しています。16カテゴリーにわたる消費意欲を調査したところ、ファッション、外食、日用品、食品、装飾品といったカテゴリーではいずれも20件以上の増加が見られました。
しかし、前年比では書籍・エンタメ、外食、旅行の3つのカテゴリーで20件以上の減少が見られ、特に娯楽や外出に関連する消費意向が落ち着いていることが示されています。これは、生活コストの抑制や、将来の不安感が影響している可能性があります。
物価高の影響
消費意欲の低下の一因として、10月に実施された食品飲料の値上げが大きく影響していると考えられます。今年の秋は、衣替えや冬支度の準備が整いつつある一方で、家計に対する圧迫も増しているため、例年よりも消費の意欲は抑えられがちです。
まとめ
2024年11月の消費意欲指数は前年よりも低下していますが、秋冬物の購入に対しては高い意欲が見られます。こうした状況を踏まえると、消費者は慎重ながらも必要な出費に対しては前向きな姿勢を持つことが分かります。消費者の意識の変化と経済環境の影響を注視しながら、今後の消費動向がどうなるのか、引き続き見守る必要があります。