群馬県にアジア初のドライビングシミュレータ技術研究所
群馬県太田市に、多くの期待を胸に抱えた「S&VL技術研究所」が7月29日に開設されました。これは、アジアとしては初めてのドライビングシミュレータ専門施設であり、自動車産業の新たな時代を切り開く拠点となることが期待されています。
この施設はプログレス・テクノロジーズグループが運営しており、最先端の「デジタルツイン技術」を駆使してリアルな運転環境を再現します。自動車業界が直面している変革の中で、「CASE」化(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)が進んでいる背景から、このシミュレータ技術の重要性は高まっています。新たなシミュレータは、運転を行う際の様々な条件を仮想上で再現することが可能です。これにより、開発プロセスの効率化やコスト削減につながるでしょう。
開所式の様子
開所式では群馬県知事の山本一太氏、太田市長の清水聖義氏らが出席し、実際にドライビングシミュレータを体験しました。テープカットセレモニーでは、ミシュランタイヤや本田技術研究所の代表者も参加し、この歴史的な瞬間を共有しました。出席者たちは、自らの手で運転操作を行うことで、最新の技術による運転体験を実感しました。
魅力的なスピーチ
開所式の各登壇者は、新しい技術の意義を語り、今後の展望について述べました。山本知事は「群馬県ならではのデジタル産業の強みを活かし、製造地帯の付加価値化を進めたい」と述べ、清水市長は「高齢化社会でも安心して運転できる車作りへの期待」を表明しました。
一方、株式会社本田技術研究所の坪内氏は、「群馬県から新たなエンジニアリング企業が誕生したことは素晴らしい」と述べ、地域の技術力向上に寄与する希望を見出しました。
S&VL技術研究所の特徴
S&VL技術研究所には、最新のドライビングシミュレータ「DiM300」が設置されており、現実の道路状況や運転条件を仮想的に再現できます。これにより、実際の運転試験では高額なコストがかかるのに対し、迅速に情報を得られるなど、多くのメリットがあります。
この研究所は、広さ15メートルの大型施設内に設置され、様々な運転条件でのテストが行える設定が整っています。ドライビングシミュレータは、走行シナリオや車両特性を変更することができ、運転手が体験する評価も仮想的に行えます。これにより、従来の試験では難しい車線変更時の動作なども詳細に分析することが可能になります。
今後の展開
S&VL技術研究所は、これから自動車(モビリティ)業界を中心に、さらなる研究開発を進めていく構えです。従来の製造業が直面している課題をクリアするために、「確からしさ」を見極め、製品の品質向上と開発効率の向上を目指します。また、自動車の未来に向けた新たなモビリティ社会の構築に貢献することが期待されています。これからの進捗から目が離せません。