ヨーグルトの摂取が呼吸器感染症に与える影響とは？

最近の大規模観察研究により、ヨーグルトの摂取がインフルエンザや新型コロナウイルス感染症などの呼吸器感染症に対する予防効果を持つ可能性が示されました。株式会社明治と明治ホールディングスが実施したこの研究では、約7,000名を対象にオリジナルの乳酸菌を使用したヨーグルトの影響を調査しました。

研究の背景

近年、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症は世界的に流行しており、その予防策が求められています。これまでの研究から、特定の乳酸菌で発酵されたヨーグルトが感冒の発症リスクを低減する可能性があることが示唆されていました。この研究では、特にLactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1株とStreptococcus thermophilus OLS3059株の効果に注目しました。

研究方法

本研究では、日本に住む20歳から80歳の男女約30万人にウェブアンケートを実施しました。この中で、OLL1073R-1株とOLS3059株で発酵したヨーグルトを週4日以上消費している人を対象に、過去の感染症の罹患状況やQOLについてのデータを収集しました。

研究結果

結果は明らかで、ヨーグルトの摂取頻度が高いほど、呼吸器感染症の罹患者の割合が低いことが示されました。例えば、週6日以上ヨーグルトを食べるグループでは、インフルエンザの罹患者が5.9%、新型コロナウイルス感染症が16.9%、そして風邪症候群・その他の呼吸器感染症に罹る割合が15.6%低下していました。さらに、摂取を続けている年数が長い人ほど、感染症のリスクが減少する傾向が見られました。

加えて、ヨーグルトを頻繁に摂取している人々は、疲労感やストレス、気分の落ち込みが少なく、睡眠の質も高いことが確認されました。このことから、ヨーグルトの摂取がQOLに良い影響を与える可能性が示唆されています。