EAGLYSと岡山大学が目指す次世代のデータ処理技術
EAGLYS株式会社と国立大学法人岡山大学は、これまでにないデータ主権の確立を目的とした共同研究に着手しました。この研究は、準同型暗号という先進技術を駆使してデータの秘密計算を行い、生成AIの活用を促進するものです。
背景と目的
近年、生成AIの急速な発展に伴って、データの重要性が一層高まっています。多くの企業がデータを独占し、その結果、データ提供者である個人や組織が得る利益が限られているという問題があります。この課題に対処するために、データを暗号化したままで計算処理を行える準同型暗号が注目されています。これにより、データの主権を保持したままAIでのデータ利活用が可能になるのです。
今回の共同研究では、特に大規模なデータを使用する生成AIの学習において、現在の技術で直面している処理速度の課題を解決し、世界最速の処理速度を実現することを目指します。
共同研究の概要
本研究では、EAGLYSと岡山大学野上研究室の専門知識を融合させ、以下の三つの観点から技術革新に取り組みます:
1.
基盤技術の改善: CKKSやTFHEライブラリを内製化し、GPUを使った高速化手法を開発します。
2.
数値解析: 大規模行列の計算を効率化するアルゴリズムの開発により、処理量を削減。
3.
機械学習モデルの実装: 従来の準同型暗号では困難だった、ガウス過程回帰やTransformerモデルなどの複雑な計算を実現します。
今後の展望
この共同研究によって得られる技術や知識は、学会や論文発表を通じて広く共有される予定です。特に、生成AIの利活用における秘密計算の新たな可能性が期待されています。プライバシーが保護されたデータの安全かつ効率的な利用が進むことで、より多くの人々や企業が公正にデータの恩恵を受けられる社会の実現へと繋がることでしょう。
岡山大学野上・小寺研究室の研究内容
岡山大学では、情報セキュリティに特化した研究を行っています。暗号技術、通信プロトコル、プログラミング技術など、幅広い分野で研究を進めています。これにより、情報社会の安全性を確保するための基盤を築いています。
EAGLYS株式会社の取り組み
EAGLYSは、秘密計算とAIを結びつけることで、企業がインダストリーデータを活用するためのプラットフォームを提供しています。データを有効活用することによって、社会全体をアップデートすることを目指しています。この共同研究が実現する新たな成果は、将来的に多くの企業や個人に利益をもたらすことでしょう。