耐量子暗号技術
2024-08-02 12:39:19

次世代インターネットEDIを支える耐量子暗号技術の全貌

次世代インターネットEDIを支える耐量子暗号技術の全貌



最近、インテック、キヤノンITソリューションズ、クオンティニュアムの3社が共同で、耐量子暗号証明書(PQC証明書)を用いたインターネットEDI接続検証を成功裏に完了したことが発表されました。この新しい技術は、今後のインターネットボードのセキュリティを大幅に向上させる可能性があり、多くの企業がその恩恵を受けることが期待されています。

なぜ耐量子暗号が必要なのか?



量子コンピュータの発展に伴い、従来の暗号アルゴリズムは解読される恐れがあります。特にRSAなどの古典的な手法は、量子アルゴリズムにより脆弱になってしまうことが懸念されています。そこで、米国商務省の標準化技術研究所、NISTが進めている耐量子計算機暗号(PQC)技術の標準化が重要な意味を持つのです。

2016年から進められているこのプロジェクトは、2023年には4つの暗号アルゴリズムを標準化候補として選定し、さらに2024年にはその作業が完了する予定です。これに伴い、量子コンピュータの出現による脅威に対抗する新しい暗号基盤が整備されます。

インターネットEDIの進化



インターネットEDIは、電子商取引においてデータのやり取りを効率化するための手法です。この分野でのビジネスを展開しているインテックとキヤノンITSは、持続的なパートナーシップを通じて、PQC証明書の実用化を目指しています。具体的には、インテックが提供するEDIアウトソーシングサービスとキヤノンITSのEDIパッケージソフト「EDI-Master B2B for JX-Client」を統合し、耐量子暗号証明書を用いた接続検証を実施しました。

PQC証明書の発行プロセス



接続検証の中で、インテックは「Quantum Origin」と呼ばれる技術を駆使しています。これは、クオンティニュアムが開発した量子コンピュータ由来のランダム性を持つデータ生成技術であり、無作為な量子乱数を使うことで、非常に安全なPQC証明書の発行を可能にします。これにより、デジタル取引のセキュリティが大きく向上するのです。

実際の接続検証の流れ



実証実験では、EDI通信内容に対してPQC暗号化処理を行う「PQCゲートウェイサーバ」が導入され、クライアントとサーバ間のデータを安全に暗号化して送信しました。このプロセスにより、データ通信の保護が強化され、より信頼性の高いEDI環境が実現されました。

将来の展望



2024年中には、NISTから暗号化アルゴリズムに関する標準が公開され、インテックはその動向に応じたPQC証明書の商用販売を視野に入れています。これに加えて、企業向けの専用認証局構築など、多岐にわたるサービスも提供していく予定です。キヤノンITSも、先進技術の研究開発を続け、新しいEDI時代のリーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにするアプローチを取るとしています。

まとめ



今回の接続検証は、量子コンピュータによる未来のセキュリティ上の脅威に立ち向かうための一歩として、大きな意義を持っています。EDI市場は今後ますます進化すると考えられており、持続的な技術革新が求められます。インテックやキヤノンITS、クオンティニュアムがこの分野において果たす役割は、今後のデジタル社会において更に重要になってくるでしょう。


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会社情報

会社名
キヤノンITソリューションズ株式会社
住所
東京都港区港南2-16-6キヤノンSタワー
電話番号
03-6701-3300

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