能登半島豪雨からの復興支援活動を振り返る1年の道のり
2021年9月の能登半島を襲った豪雨災害は、地域住民にとって忘れられない試練となりました。しかし、その後の支援活動によって多くの希望が生まれています。一般社団法人グリーンコープ共同体(本部:福岡市博多区)が地元に根ざした支援を続けた1年間の流れを、ここで振り返りたいと思います。
2024年9月〜12月:緊急支援から生活再建へ
豪雨が発生した直後、グリーンコープは迅速に支援体制を整え、輪島市や珠洲市の避難所に水やタオルなどの必要物資を届けました。また、福岡から軽トラックで土嚢や災害ごみを運搬し、現地の復旧作業にも積極的に参加しました。11月には、輪島市町野町で唯一のスーパー「もとやスーパー」が営業を再開し、その喜びを住民と共に分かち合いました。
さらに、珠洲市の「すずキッチン」が新たに弁当販売を開始。グリーンコープは食材を提供し、地域の栄養と安心をサポートしました。12月には「マッハコーヒー」が全店舗で販売を開始し、被災地で生まれた「イカキングコーヒー」が組合員に届けられました。売上の一部は能登町やボランティア団体に寄付され、地域経済と雇用の再建にも貢献しています。
2025年1月〜3月:防災意識と地域交流の促進
新年が明けると、輪島市の仮設合同校舎での防災用品贈呈式が行われ、約800人の小中学生にヘルメットなどを配布しました。続いて、復興支援イベントを福岡市で開催し、能登の特産品や工芸品を販売。3月には、親子丼を提供する炊き出しが行われ、地域イベントへの参加を通じて被災地の交流の場を支えました。
2025年4月〜6月:地域の営みを再生
春から初夏にかけては、被災地の再生に向けた新たな試みに着手。大谷地区の「みんなのスーパー長橋食堂」では、商品提供やイベント支援を行い、町の祭りにも参加しました。町野地区の保育園には水や食材を定期的に供給し、子どもたちの健康な給食を支えています。能登高校や自立支援センターのプロダクトも販売され、地域の雇用創出に繋がっています。
2025年7月〜9月:復興の拠点と継続的な支援
夏には、珠洲市に「狼煙のみんなの家」が完成し、グリーンコープはここでも食材提供や輸送を通じて支援しています。「みんなの食堂」では地域の方々が集い、コミュニケーションの場となっており、輪島市でもサロンを開いています。地域イベントでの支援活動は続き、住民の生活や交流の支えとなっています。
被災地に寄り添う活動
能登半島の豪雨災害から1年が経過しましたが、地域は依然として様々な課題に直面しています。グリーンコープは今後も地域に根ざし、住民と共に歩み続けることを誓います。この1年間の支援活動を通じて、地域の復旧・復興を支えるための道筋がついてきました。引き続き、力強い地域社会の実現を目指して活動を続ける姿勢を貫きます。
組織概要
一般社団法人グリーンコープ共同体は、福岡市博多区に本部を置き、安心・安全な食材の提供を目指して16の生協とともに活動しています。私たちは、地域を豊かにするために、みんなの声を大事にしながら日々の活動を続けています。