インターブランドジャパンが受賞
日本最大規模のブランディング会社、株式会社インターブランドジャパンが、長野県中野市に本社を置くケーアイ・オギワラのブランディングプロジェクト「The Numbered」で、Red Dot Design Award 2025のBrands & Communication Design部門において受賞しました。
プロジェクトの背景
ケーアイ・オギワラは日本国内でも特に生鮮きのこの生産量が高い企業であり、長野県の農業の現状は高齢化が進んでいます。70%以上の農家が65歳以上となり、耕作放棄地が増加する中で、同社は高齢農業従事者から農地を譲り受け、新たな生産を開始しました。この取り組みは地域活性化のお手本となるでしょう。
「The Numbered」とは
「The Numbered」は、シャインマスカットを含む4種類のぶどうを扱う新ブランドであり、全体生産量の上位1%のみを出荷することをコンセプトにしています。このブランド名は、品質の高さを示し、高級感を演出しています。また、商品の品質を明確にするために、糖度、酸度、果実の張りを測定し、すべてのデータを一房ごとに記録しています。これにより、顧客が品質を“見える化”できる仕組みが実現されました。
更に、パッケージデザインにもこの“見える化”の要素が取り入れられており、一目で商品の品質がわかるように、透け感のあるデザインに仕上げられています。これにより、単なる農産物ではなく、特別な嗜好品という印象を与えています。
地域貢献と成果
このブランディングプロジェクトは、長野県中野市の遊休農地を66,132㎡再生し、地域全体の耕作放棄地の問題解決にも貢献しています。さらに、2023年にはクラウドファンディングを通じたテスト販売において、目標の500%を達成し、その成功を収めました。
Red Dot Design Awardとは
Red Dot Design Awardは、世界三大デザイン賞の一つであり、国際的に権威のあるデザインコンクールです。毎年20,000件を超える応募があり、受賞作品は世界中の優れたデザインとして評価され、Red Dot Design Museumsなどで展示されます。
インターブランドとその影響力
インターブランドは1974年に設立され、40年以上にわたりブランディングのリーダーシップを発揮しています。特に、顧客の期待に応える体験の提供を目指し、戦略、クリエイティブ、テクノロジーを駆使したアプローチが特徴です。また、ISOによりブランドの金銭的価値の世界標準として認められた「Brand Valuation™」を使用することで、企業のブランド戦略に重要な役割を果たしています。
インターブランドジャパンは1983年に東京に設立され、国内外の企業に対してトータルなブランディングサービスを提供することで、業界におけるプレゼンスを高めています。
この受賞は、インターブランドジャパンの実績をより一層強化したものであり、今後の地域再生や農業の活性化に向けた新しい取り組みの先駆けとして期待されています。