光応答性ポリマー
2024-08-07 16:51:17

光応答性超分子ポリマーの革新的開発とその応用について

光応答性超分子ポリマーの革新的開発



千葉大学を中心とした共同研究チームが、光に応答して構造を変化させる新たな超分子ポリマーを開発しました。このポリマーは、渦巻き状に折りたたまれた主鎖が自発的にほどけながら凝集する特性を持っています。これにより、従来は観察が難しかったナノスケールの現象を明らかにする手段が提供されることとなりました。

研究の背景



通常のポリマーと異なり、超分子ポリマーは分子間で非共有結合によって結びついています。このため、刺激に対する応答や、電子・光学特性が重要な役割を果たします。近年、合成高分子における構造制御技術の向上により、超分子ポリマーの実用化が進められていますが、主鎖の高次構造を制御する技術は依然として難しい課題でした。特に、生体高分子や合成高分子におけるフォールディングや凝集のダイナミクスは、機能性に深く関わっています。

研究成果



今回、研究チームは、光応答性を持った超分子ファイバーを開発しました。その過程では、原子間力顕微鏡(AFM)により、主鎖がどのように折りたたみながら、さらに他の繊維と集まっていくかを直接観察しました。このポリマーは、ダイナミックな構造変化を持ち、特定のタイミングで光を照射することで、主鎖がほどけたり、再び折りたたまれたりすることが可能です。

研究の初期段階では、特定の機能性分子を用いてディスク状の構造を形成し、それらが自発的に積層していくことを観察しました。これにより、湾曲した形状の超分子繊維が構築され、さらにはその平面性を変えることで、纏まりやすい形状を形成できるようになりました。このようにして、研究者たちは特定の条件下で主鎖が変化する様子を観察し、新たな発見を得ることができました。

今後の展望



この研究の進展により、超分子ポリマーの特性を最大限に活かす新たな材料開発が期待されています。光応答性を持つこのポリマーは、バイオマテリアルや機能性材料としての応用が見込まれ、特にアルツハイマー病などの治療法の基礎的知見の蓄積に大きく寄与する可能性があります。

用語解説


  • - 超分子ポリマー: 分子間の非共有結合で形成されるポリマーで、特異な物性を持つ。
  • - アミロイド線維: 異常なタンパク質構造から形成される繊維で、病気の原因となることがある。
  • - メゾスケール: ナノスケールとマイクロスケールの中間的領域。

このように、千葉大学の研究チームが進める光応答性超分子ポリマーの開発は、新しい材料科学の道を切り開く可能性を秘めています。


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会社情報

会社名
国立大学法人千葉大学
住所
千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33 
電話番号
043-251-1111

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