2024年7月の国内景気動向調査
株式会社帝国データバンクが発表した2024年7月の国内景気調査結果によると、景気DIは前月比0.5ポイント増の43.8となり、4カ月ぶりに改善を見せました。この改善は、猛暑によるエアコンの特需やアルコールの消費増加、さらにはインバウンド消費の影響が大きいとされています。
調査の概要
この調査は2024年7月18日から31日までインターネットを通じて実施され、全国27,191社を対象に行われました。その結果、有効回答は11,282社で、回答率は41.5%に達しました。特に注目すべきは、猛暑が引き起こした季節需要の高まりが、エアコンや飲料、タクシー需要などに顕著に現れた点です。
景気の来歴と今後の見通し
2024年7月の景気DIが改善した背景には、国内景気が猛暑やインバウンド消費によってプラスに働いたことが挙げられます。しかし、金融市場は大きく揺れ動いており、外国為替レートや株価の変動が見られました。具体的には、1ドルのレートが161円台から149円台に急変したほか、株価も大きな変動を記録しました。
今後については、全体的に横ばいでの推移が予想されますが、エネルギー価格の高騰や物流コストの増加、人手不足といった課題も多く存在しています。一方で、賃上げや自動車の生産拡大、生成AIの需要増などはプラス材料として作用し得るでしょう。
業界別の動向
業界別に見ると、10業種中7業種が改善を見せ、『サービス業』や『建設業』が特に顕著でした。
- - サービス業:前月比0.8ポイント増の50.0。飲食店はインバウンド需要の活況を受けて、特にビアホールなどが好調です。
- - 建設業:0.5ポイント増の46.9。エアコン特需や都市の再開発が進んでおり、需要が高まっています。
地域別の動向
地域別では、改善が見られたのは7つの地域で、好調なインバウンド消費や建設需要が大きな要因となっています。特に北海道や東海地域では、観光需要や自動車関連産業が堅調で、全体の景気を押し上げているとの報告があります。
結論
このように、2024年7月の国内景気は多くの業界や地域で改善の兆しを見せているものの、不確実な要因も多く存在します。特に猛暑がもたらした特需の影響が各業界にどのように持続可能なのか、今後の動向は要注目です。さらなる情報は、株式会社帝国データバンクの公式サイトでも確認できます。