ひとり親家庭支援施策自治体事業アワードの受賞自治体
2025年10月5日、広島県福山市で開催された「ひとり親家庭支援施策自治体事業アワード」において、優れた取り組みが評価され、三つの自治体が受賞しました。このアワードは特定非営利活動法人ひとり親家庭サポート団体全国協議会(JSPF)が主催し、全国の自治体の創意工夫あふれるひとり親家庭支援施策を表彰することを目的としています。
受賞自治体とその取り組み
1. ひとり親家庭応援最優秀賞
該当者なし。
2. ひとり親とこどもの未来応援賞
兵庫県明石市: ひとり親家庭総合支援事業
明石市では、「ひとり親家庭総合支援事業」を実施し、親子に対する総合的な支援を行っています。具体的には、相談、経済支援、就労支援、居場所づくりなど、多面的なアプローチが特徴です。
審査においては、特に行政と民間が連携し、制度の隙間を埋める実践が評価されました。この事業は、ひとり親家庭が国や地域からの支援を受けやすくするための理想的なモデルとされています。支援への入口が多様であり、地域社会の孤立を防ぐ仕組みが整えられています。
宮崎県宮崎市: 養育費確保支援3事業
宮崎市の取り組みは「養育費確保支援3事業」です。厚生労働省によると、母子世帯における養育費の取決めが進まず、実際に受け取れている割合も低いのが現状です。この自治体は、公正証書の作成支援や保証契約の導入により、当事者が養育費を受け取りやすくするために活動しています。
この制度の創設は、養育費の取り決めを促し、法的手続きへのアクセスを容易にするなど、非常に意義深いものであります。さらに、保証会社との連携や関係部署との協力が進められ、制度の定着に向けた取り組みが行われています。
宮城県仙台市: ひとり親サポートブック『うぇるびぃ』
仙台市が展開する「ひとり親サポートブック『うぇるびぃ』」は、ひとり親家庭に向けた支援制度を視覚化し、利用者の不安を軽減することを目的としています。制度が複雑で、情報に乏しい状況において、冊子やリーフレットを通じて情報を整理する取り組みが高く評価されています。
特に、当事者の声を反映する編集プロセスが評価され、情報提供を超えた“伴走型ツール”として機能している点が大きな特徴です。配布方法や更新体制の工夫により、持続可能な形で他の自治体への展開も期待されています。
アワードの意義
このアワードは全国のひとり親家庭支援における質を向上させることを目的としており、受賞した自治体の取り組みは他の地域にも波及することが期待されます。支援を必要とする家庭が多様な選択肢から助けを受けられることが、この取り組みの最大の目的となります。
アワードの主催者であるJSPFは、北海道から沖縄まで、全国のひとり親家庭支援団体が連携し、共に支援の輪を広げています。今後もこのような取り組みが全国的に広がり、ひとり親家庭が安心して生活できる社会づくりが進むことを期待しています。