「声のアルバム」で親孝行
2022-10-11 13:00:01
離れて暮らす高齢の親子の絆を深める新サービス「声のアルバム」
離れて暮らす高齢の親子の絆を深める新サービス「声のアルバム」
近年、高齢化が進む日本において、遠距離で暮らす親子の関係維持は大きな課題となっています。そんな中、兵庫県西宮市に拠点を置く3goodGiftが提供する「声のアルバム」は、この課題解決に新たな光を当てています。
このサービスは、80代の親と50代前後の子供を主なターゲットに、子供からの依頼で、インタビュアーが親のもとを訪問。2時間かけて、子供の幼少期の思い出を聞き出すというものです。インタビュー内容は30分に編集され、QRコード付きの特別なパッケージで届けられます。
サービスの開発背景には、代表の光川和子さんの経験が深く関わっています。山口県出身の光川さんは、20~30代の頃に父親の病気と祖母の認知症介護を経験。その中で、患者本人だけでなく、介護する家族へのケアの必要性を実感したそうです。特に地方では、今後遠距離介護が急増すると予想される中、医療や介護とは異なるアプローチで課題解決を目指し、「3goodGift」を設立しました。
「声のアルバム」の開発にあたり、光川さんは2年間、先端教育機構事業構想大学院大学で新規事業創出について学びました。在学中に実施したアンケート調査では、地方出身で親と同居していない30代以上の31名中、帰省回数が年2回までの人は81%、今後地元に戻る予定がない人は84%、親への不安はあるものの具体的な対策をしていない人は69%という結果が得られました。
この調査結果から、遠距離で暮らす子供たちの真の願いは「親が幸せな日々を送ること」であるという仮説を立て、「声のアルバム」が生まれたのです。サービスデモでは、ほぼ全ての親がインタビューを「楽しかった」と回答。子供たちも、親の幸せそうな様子やポジティブな感想を聞くことで、幸福感を感じているという声が多く聞かれました。
「声のアルバム」は、単なる音声記録サービスではありません。高齢の親子には、長年の積み重ねから生まれたわだかまりや、子供に気を遣って本音を言えないといった状況も存在します。しかし、第三者であるインタビュアーを介することで、親は自然と本音を語り、子供も親への気持ちを改めて見つめ直す機会が得られます。
サービスは高齢の親子だけでなく、「大切な人」への贈り物としても活用できます。結婚式での記念品や、同窓会、卒業、退職など様々な場面で、思い出を語り合うきっかけを提供します。2022年10月からは、大阪府太子町でのふるさと納税返礼品にも採用され、地元に住む親への贈り物として、ふるさと納税本来の趣旨を実現するとともに、離れていてもお互いを想う関係人口の創出にも貢献しています。
「声のアルバム」は、単なるサービスを超え、親子の絆を深め、幸福感を循環させる、温かい想いが詰まったサービスと言えるでしょう。今後、関西エリアを中心に、採用自治体の拡大を目指し、より多くの人々に幸福感を届けていく予定です。
会社情報
- 会社名
-
3good
- 住所
- 電話番号
-