三重県南伊勢町での地域医療の挑戦
三重県南伊勢町は、53%の高齢化率を誇る地域であり、訪問看護の必要性がますます高まっています。この町で訪問看護サービスを展開するのが、株式会社nanoヘルスケアの代表、前田葵さん(30)です。彼女は2021年に東京から南伊勢町に移住し、地域医療の最前線で活動を始めました。
若手看護師が築く未来
前田さんは、自宅で最期を迎えたいと願う高齢者が病院での看取りを余儀なくされる現状に心を痛め、訪問看護ステーションを立ち上げました。彼女の努力の結果、nano訪問看護ステーションは、24時間365日の看護体制を構築し、地域の人々の健康を支える重要な存在となっています。現在、彼女は7名のスタッフと共に、伊勢市・志摩市・度会郡全域にわたり約70名の利用者をサポートしています。
ドキュメンタリー『いいいじゅー!!』の放送
その前田さんの活動を記録したドキュメンタリー番組『いいいじゅー!!』が、NHK BSで再放送されることが決まりました。放送は2025年8月11日(月・祝)、午前7:55から行われます。この番組では、前田さんが訪問看護の現場でのリアルな葛藤と希望を描写し、命の大切さについて改めて考えさせられる内容となっています。特に、末期がん患者のケアに関する場面では、自宅での看取りの意義を深く問いかけるシーンが印象的です。
地域医療の新たな形
三重県南伊勢町は、医療資源が限られた地域です。その中で前田さんと「チームnano」は、地域の“最後の砦”として、患者一人一人に寄り添い、自宅での看取りを可能にする取り組みを進めています。彼女は「訪問看護に正解はありませんが、誰かの人生に寄り添うことはかけがえのない仕事です」と語ります。
共同体としての支え
訪問看護ステーション開設から2年が経ち、前田さんの熱意が地域に根付いてきました。看護を通じて人々の生活を支えるだけでなく、地域コミュニティとのつながりもあり、共に歩む姿勢が重要視されています。前田さんの活動は、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」などの理念とも連動しており、持続可能な地域医療を目指す上で重要な役割を果たしています。
まとめ
株式会社nanoヘルスケアが展開する訪問看護の取り組みは、多くの地域住民にとって救いの手となっています。彼女の情熱と共に、地域医療の未来を切り開く姿勢を応援したいものです。番組を通じて多くの人が地域医療の意義を理解し、共に支え合う姿勢を育んでいけることを期待しています。