抗生物質耐性菌の新たな対策、バクテリオファージ療法の可能性とは

抗生物質耐性菌の新たな対策、バクテリオファージ療法の可能性

近年、抗生物質の効果が薄れつつある抗生物質耐性菌が、世界中で深刻な問題となっています。特に2014年に英国政府が発表した報告書では、このまま対策を講じなければ2050年には年間1000万人が耐性菌によって命を落とすと予測されています。この危機的な状況に対抗するため、新しい治療法として「バクテリオファージ療法」が注目されています。

バクテリオファージとは何か

バクテリオファージは細菌をターゲットにしたウイルスで、特定の細菌にだけ感染し、繁殖を繰り返しながら細菌を破壊します。この特性を活かしたバクテリオファージ療法（ファージセラピー）は、抗生物質では抵抗性のある細菌に対処する手段の一つとして期待されています。

バクテリオファージ療法の最大の利点は、その特異性です。これにより、周囲の健康な細菌は影響を受けず、感染症だけを選択的に治療できる可能性があります。これにより、抗生物質による副作用を減少させる効果も見込まれています。

バクテリオファージ療法の応用

現在、バクテリオファージ療法は医療分野において幅広い応用が期待されています。抗生物質耐性菌の支配から、人間の腸内フローラのバランスを整えること、さらにはニキビ治療にも利用される可能性があります。様々な分野での研究が進んでおり、患者にとっての新たな治療オプションが提供される道が開かれようとしています。

丹治保典名誉教授へのインタビュー

このテーマについて詳しく知るため、東京工業大学の丹治保典名誉教授にインタビューを行いました。彼はファージセラピーの研究をリードしており、全国的な社会実装を目指しています。今回のポッドキャストでは、ファージセラピーがどのように進化し、医療現場でどのように活用されるかについて詳しくお話しいただきました。

配信はこちらからご覧いただけます。