はじめに
ウェブサービスの運用には多様な課題が伴いますが、特にインシデントの発生は避けがたいものです。インシデントが発生した際の対応は、迅速かつ的確な判断が求められます。しかし、従来のインシデントマネジメントは多くの場合、経験豊かな個人のナレッジに依存しており、再現性のあるシステムとして機能することが難しいのが現実です。そのため、各企業の対応速度や品質には大きなばらつきが生じていました。
SIGQの背景とアプローチ
株式会社SIGQは、東京都千代田区に本社を置く企業で、代表の金築敬晃氏はこれまで多くの大規模SaaS企業でSRE(Site Reliability Engineering)としてインシデントマネジメントの体制構築に携わってきました。この経験を基に、SIGQは「再現可能で、知識が属人化しないインシデントマネジメントの仕組みを構築する」ことを目指しています。この目的を実現するために、AIを活用した新たな支援ツール「SIGQ Incident Management」を開発しました。
SIGQ Incident Managementの機能
新しくリリースされた「SIGQ Incident Management」は、AIエージェントによる自律的な支援サービスです。その主な機能は以下の通りです。
- - インシデント発生時の自動初動支援: インシデントが発生するや否や、AIエージェントが即時に必要な初動を提案します。
- - 関係者への即時連携: インシデントに関与する全ての関係者に対し、迅速に情報を共有し、議事ログを整理します。
- - 過去のナレッジ活用: 過去のインシデントデータをもとに、類似の事例を高速で検索し、対処法を提案します。
- - ポストモーテムの自動生成: インシデント後の振り返りレポートもAIが自動で作成します。
- - 法令対応の迅速化: 個人情報漏洩など、法的処置が必要な場合には迅速に対応方針案と通知文を生成します。
これにより、従来は多くの時間とリソースが必要とされていたインシデント対応を、コストを最大で1/10にまで削減できることを目指しています。
今後の展開
現在はプライベートリリースの段階で、インシデント管理に課題を抱えるスタートアップおよびエンタープライズ企業数社にこのツールを提供し有限なフィードバックを得ています。正式なリリース後は、Google CloudやAWSの各国の環境にも対応し、グローバルに展開していく予定です。特に、SREが広まっているアメリカ市場での活用を視野に入れ、現地企業との連携やパートナーシップの形成も図っています。
参加方法
プレビューに参加したりデモを希望される方は、公式フォームからご連絡ください。これにより、企業は自己のインシデント管理体制を大幅に改善できるチャンスを得ることでしょう。
株式会社SIGQについて
SIGQは、ウェブサービスに特化したインシデントマネジメントの専門チームとして、障害の検知から初動対応、復旧、再発防止策の策定・実装までを一貫して支援します。我々の活動は単なる障害対応に留まらず、企業の信頼性を向上させ競争優位性を築くための取り組みです。さまざまなモニタリングツールを駆使し、対応フローの整備や自動化を通じて、継続的な改善を目指します。