ホタルの光合成技術
2024-12-25 19:13:18

名古屋大学発、ホタルの光を簡便に合成する技術の実用化に成功

ホタルの光を得る新たな道



名古屋大学大学院生命農学研究科の研究チームが遂に、ホタルが発光するために必要とする発光物質ルシフェリンの簡便な合成方法を開発しました。この技術は、環境に優しく、且つコストも削減できることから、今後のバイオテクノロジー分野において大きな影響を与えると期待されています。

背景にある課題



ホタルの発光は、その魅力的な自然現象として広く知られていますが、その発光メカニズムに使われるルシフェリンは、これまで非常に高価であったため、研究や検出技術には大きなコストがかかっていました。従来の合成方法は、環境負荷の高い多段階プロセスを必要とし、持続可能性の観点からも見直しが求められていました。

新たに開発されたワンポット合成法



今回の研究では、名古屋大学の西川教授と多くの研究者が協力し、ホタルの生物発光で使われる接触反応を利用したワンポット合成法を初めて開発しました。この手法は、常温常圧の条件で行い、特別な装置を必要としないため、誰でも手軽に扱える点が魅力です。また、原材料も市販の安価なものでそろえられるため、アクセスしやすい技術となっています。

合成の詳細



ワンポット法は、L-システインとベンゾキノンを中性緩衝液中で撹拌するというシンプルなプロセスで、驚くべきことに、総収率は46%に達し、高純度のD-ルシフェリンが得られるのです。これにより、今後は多くの研究機関や産業界での利用が容易になり、コスト削減とともに、環境への負荷も考慮した持続可能な利用が可能となるでしょう。

期待される影響



この新しい手法により、病原菌の迅速な検出や生命科学における遺伝子実験・バイオイメージングの幅広い応用が期待されます。ルシフェリンの供給が安定化されることで、関連する技術の発展も促進されることでしょう。

また、研究チームはこの合成法の普及を通じて、環境に優しい科学の促進を図っており、今後の開発も楽しみです。

今後の展望



この研究成果は、2024年12月25日19時(日本時間)に英国ネイチャーパブリッシンググループの『Scientific Reports』に掲載予定です。新たに生み出されたこの技術が、今後のバイオテクノロジーの発展に貢献することを期待しています。


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