韓国依存症支援センター視察団、みのわマックを訪問!国際協力の未来を探る
2023年11月5日、東京都北区にあるアルコール等依存症者リハビリテーションデイケア施設「みのわマック」に、韓国の京畿道中毒管理統合支援センターから12名(役職員11名、通訳1名)の視察団が来訪しました。京畿道中毒管理統合支援センターは、アルコール、インターネット、ギャンブル、薬物依存症など、様々な依存症に苦しむ道民への支援を積極的に行っている機関です。
今回の視察は、韓国のセンターから日本の先進的な依存症支援の取り組みを学ぶことを目的として実現しました。みのわマックは1978年の設立以来、12ステッププログラムを用いた回復支援で高い実績を誇り、多くの依存症患者を社会復帰へと導いてきました。
みのわマックでの交流
視察団はまず、みのわマックの施設を丁寧に視察。その後、集会室で歓迎の横断幕が掲げられる中、ジャパンマック荒木龍彦副代表理事による歓迎挨拶、そしてみのわマック成宮康彦施設長による施設説明が行われました。
成宮施設長は、みのわマックの支援内容、社会的役割、そして回復プログラムの詳細について説明しました。質疑応答では、韓国の視察団から活発な質問が寄せられました。「異なる依存症の人たちが一緒にプログラムを受ける際の課題はあるか?」「卒業基準や再飲酒時の対応は?」「職員の資格要件は?」など、多岐にわたる質問に、成宮施設長は丁寧に回答しました。特に、複合的な依存症を持つ人の支援方法や、卒業後のアフターケアといった点に関心が集まりました。
続いて、みのわマックに併設されている女性専用の依存症回復施設「サポートセンターオ’ハナ」の棚原可奈子施設長が、オ’ハナでの支援体制やプログラムについて説明しました。韓国では、依存症と精神疾患を併せ持つ人の支援が別々に行われているという話があり、オ’ハナにおける統合的な支援アプローチへの関心が非常に高かったようです。利用者数や、回復プログラムの具体的な内容についても多くの質問が出されました。
利用者代表スピーチと記念品交換
みのわマックの利用者代表からは、施設の取り組みへの感謝と感動が語られました。真摯な姿勢で依存症と向き合う施設の雰囲気に心を打たれたという声が、視察団の心に深く響いた様子でした。
その後、記念写真撮影と記念品の交換が行われ、和やかな雰囲気の中、交流は幕を閉じました。日本側からはみのわマックのユニフォームが贈呈され、韓国側からも感謝の品が贈られました。
2時間では足りないほどの充実した交流
予定されていた2時間の視察時間ですが、活発な意見交換や質疑応答に時間がかかり、あっという間に過ぎ去りました。みのわマックの職員と利用者らが視察団を見送る際には、再会を約束する温かい雰囲気に包まれました。
みのわマック、オ’ハナ、ジャパンマックについて
みのわマックは、1978年設立の日本で最初の12ステッププログラムを採用したアルコール依存症リハビリテーション施設です。設立者自身も当事者であったことから、当事者による当事者への支援を重視した運営が特徴です。
オ’ハナは、みのわマックに併設された女性専用の生活訓練施設です。12ステッププログラムに基づいた支援に加え、女性が安心して過ごせる環境づくりを徹底しています。
ジャパンマックは、みのわマックを含む複数の施設を運営する認定NPO法人です。1974年の設立以来、依存症回復支援のパイオニアとして、日本の依存症対策に大きく貢献しています。
今回の視察は、みのわマックと韓国の京畿道中毒管理統合支援センターにとって、今後の国際的な連携を強化する上で大きな一歩となりました。両国の専門家間の交流を通じて、より効果的な依存症回復支援システムの構築が期待されます。