企業とアートの新たな関係性を探る
リンクタイズ株式会社が展開する『Forbes JAPAN』は、アートとビジネスの融合に関する初の大規模調査を実施しました。この調査は、「Forbes JAPAN ART & BUSINESS PROJECT」の一環であり、さまざまな業種・規模の企業120社から得た回答を基にしています。今回の調査の目的は、企業がアートにどのように関わり、どのような成果を上げているのかを明らかにすることでした。
調査の背景と目的
2022年3月に発行されたForbes JAPANの別冊『ART AS AN ATTITUDE』を起点に始まったこのプロジェクトは、企業がアートを取り入れることでどのような価値を生み出しているのか、その実態を把握するために実施されました。調査は、アートをビジネスに取り入れようと試行している企業の意識や、その成果を明確にすることを目指しています。
調査の成果
調査結果によれば、アートを活用した取り組みを行っていると回答した企業の約30%が設立10年未満のスタートアップであり、その多くが良い成果を上げていると認識しています。全体の約半数の企業が、アートの取り入れに成功していると回答しました。
特に注目すべきは、アートの取り組みが従来の大企業に限らず、スタートアップを中心に広がりを見せている点です。これによって、従来のイメージが変わり、アートが新たな価値を創造するツールとして重要度を増しています。
アプローチの多様性
調査では企業のアートへの取り組みを「APPROACH 1」から「APPROACH 4」までの4つのカテゴリーに分類しました。このうち、約80%の企業が「企業・ブランドメッセージの発信」に取り組んでいることが明らかになりました。一方で、最も先端的な「革新的なビジョン・アイディアの創造」にも約60%の企業が関わっています。これは、企業がアートを通じて新しいビジョンやアイディアを模索し始めている証拠です。
業界の変化
これまでアートとの親和性が高かった業種だけでなく、アートに対し消極的だった業種でも新たな事例が増加している点も特筆すべきです。たとえば、製薬業界や物流業界でもアートプロジェクトが立ち上がり、地域社会との繋がりを強めています。これにより、アートとビジネスの関係性が多様化してきました。
課題と展望
調査の中で得られた洞察の一つは、アートを通じた企業文化の変化です。スタートアップ企業では、特に「人材の多様性の確保」や「イノベーションの創出」に重点を置いていることが見えてきました。これは、新しい価値創造のためにアートが必要不可欠であることを示唆しています。
また、アートとビジネスをつなぐパートナーとして、コンサルティングファームの存在感も高まっています。これにより、企業がアートを活用する際のハードルが下がり、より多くの企業がアートとの協業に興味を示しています。
結論
企業がアートを取り入れることは単なるトレンドではなく、ビジネスの本質に迫る重要な戦略となりつつあります。アートのもつ表現力や創造性は、企業の成長に寄与するだけでなく、社会全体にも良い影響を与える可能性があります。今後もこの動向に注目し、新たな事例や成功要因を探っていく必要があります。
調査に興味がある方は、以下のリンクから詳細なレポートをダウンロードできます。
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