古美術に魅せられた「妖の膳」が伊勢丹新宿本店に降臨!
東京・台東区の隅田川沿いに佇む「ルーサイトギャラリー」。そこは、戦後まもなく建てられた旧市丸邸という古民家の中に、古美術の世界が広がる場所です。ギャラリーを運営する有限会社ルーサイトギャラリーの代表、米山明子さんは、古美術の魅力を多くの人に伝えたいという強い思いを持っています。
8月21日から29日までの9日間、そのルーサイトギャラリーが、伊勢丹新宿本店5階のセンターパークに出展します。テーマは「妖の膳 ~艶かしい古器たちの饗宴~」。古民家に住む妖たちが、宴を繰り広げる幻想的な世界観を、美しい古美術を通して表現します。
江戸時代の空気を纏う古伊万里や輪島塗など、個性豊かな古美術の数々
展示される古美術は、どれも時代を感じさせる逸品ばかり。
蝶の文様が美しい伊万里焼の皿は、優雅な雰囲気を醸し出し、見る人の心を惹きつけます。
漢詩が描かれた五寸皿は、当時の生活様式や文化を感じることができます。
九谷焼の酒器は、細密な絵付けが施され、華やかさを添えます。
輪島塗の盆は、その重厚な作りと美しい光沢が、古美術ならではの風格を漂わせます。
福寿の願いが込められた古伊万里は、お正月やお祝い事の際に使われたものでしょう。
鯛のモチーフの塗り物は、縁起の良いものとして、古くから親しまれてきました。
これらの古美術は、単なる装飾品ではなく、それぞれの時代に生きた人々の息吹を感じることができます。
古美術を通して、現代に蘇る「気」
米山さんは、古美術には「気」が宿ると語ります。
「現代の陶芸家の作品や昔の陶芸家の器にはそれぞれ違う『気』が宿るように思います。作家ものの器や骨董品は、手洗いをするのが基本です。手で洗いながら、器とゆっくり対話したいからです。」
古美術に触れることで、歴史や文化、そしてそこに暮らした人々の思いに触れ、現代の私たちも何かを感じることができるのではないでしょうか。
江戸の華やかさを再び、そして未来へ
ルーサイトギャラリーが建つ柳橋は、かつては花街として栄えていました。米山さんは、料亭や芸者が消えていく様子を目の当たりにし、その時代の文化が失われていく寂しさを感じてきました。
「私たちの目的の一つは、人々の笑い声を再び柳橋にとり戻すことです。そしてもう一つは、モノやことを通じて関わってくださる人たちと繋がることです。」
今回の展示会を通じて、古美術の魅力を伝え、人々の心を豊かにしたいという米山さんの願いが込められています。
伊勢丹新宿本店で、古美術の世界に足を踏み入れてみませんか?
幻想的な空間で、あなたも古美術の「気」を感じてみてください。