南海トラフ地震に備えた意見交換会の開催
2025年3月11日火曜日、愛知県の県営名古屋空港ターミナルビル3階に位置する「テララボ災害対策オペレーションセンター」において、南海トラフ地震を想定した災害対策に焦点を当てた意見交換会が行われました。このイベントは、災害時の効率的な情報支援ネットワーク構築を目指しています。
意見交換会では、まず松浦孝英氏(株式会社テラ・ラボ代表取締役)が、「南海トラフ地震を想定した航空機を活用した災害対策DX」というテーマで講演を行いました。松浦氏は、2024年12月にこのオペレーションセンターを開設し、地域データ計測を進める重要性について語りました。特に、南海トラフ地震が引き起こす被害に備えるため、熱田区や南区での具体的な事例を挙げ、計測用の航空機と地上データの統合が自助・共助力の向上に繋がると述べました。
地域の取り組み事例の紹介
会の第二部では、実際に地域での取り組みがどのようになされているのか、参加者からの発表が相次ぎました。最初の事例発表では、早川典夫氏(名古屋市南区消防団連合会 会長)が、「南海トラフ地震に備えた名古屋市南区星崎コミュニティの取り組み」を紹介しました。早川氏は、地域の協力が求められる時代において、事前対策が被害軽減に与える影響について具体的に語り、地域の連携の大切さを強調しました。
次に、原口秀樹氏(全国介護事業者連盟 副理事長)は、能登半島地震の経験から得られた教訓を共有しました。特に1.5次避難所における介護の取り組みをテーマにし、現地での人手不足が問題となる中での取り組みの重要性を指摘しました。原口氏の講演は、南海トラフ地震に備えるための準備の重要性を再認識させるものでした。
さらに、山田豊久氏(株式会社山田商会ホールディング代表取締役)による発表では、インフラ工事に携わる事業者がどのように災害に備えるかについて語られました。日常的に行われている工事から得られる情報を活かし、被災時の迅速な対応が可能になることを示しました。
異業種連携による新たな取り組み
この意見交換会のハイライトは、西村知也氏(株式会社リバネス)の説明です。西村氏は、企業、行政、研究機関など異なる分野が連携し、有事にも平時にも機能するしなやかな社会インフラの創造を目指すリバネスレジリエンスプロジェクトについて言及しました。
意見交換会の締めくくりには、NPO法人にこっとによる「こども女性目線で災害に備える」をテーマにした防災備蓄品の試食会も開催され、参加者たちは新たな視点からの備えの重要性を感じました。特に、南海トラフ地震のような未曾有の災害に際しては、地域の協力体制を強化し、自助・共助の力を向上させることが必要不可欠です。
このような取り組みが進むことによって、南海トラフ地震に対する備えがより確かなものとなることが期待されています。