深谷市とTOMUSHI社の未来の農業
深谷市が新たに選んだ経済戦略の一環として、アグリテック企業『株式会社TOMUSHI』への出資を完了しました。これは、深谷市の農業版シリコンバレー『DEEP VALLEY』の実現に向けた重要なステップであり、地域の農業課題を解決するための取り組みです。
DEEP VALLEYとアグリテックの意義
深谷市は『農業の未来が集まる場所へ』というブランドのもと、アグリテック集積戦略を推進しています。アグリテックとは、農業とテクノロジーを融合させた分野で、持続可能な農業を実現するための創造的な技術開発が求められています。深谷市は、全国の農業が抱える課題を解決すべく、コンテスト『DEEP VALLEY Agritech Award』を開催し、最優秀賞を選出しています。
TOMUSHI社の魅力と成長
2022年のアワードで最優秀賞を受賞したTOMUSHI社は、昆虫を用いた農業イノベーションを推進するバイオスタートアップ企業です。彼らは有機廃棄物の処理を昆虫に依存し、その成果を飼料や肥料に応用する研究を行っています。2019年に設立されたこの会社は、JAグループやJR東日本企業との連携を通じ、効率の良い農業への道を切り開いています。
TOMUSHI社は、昆虫を利用したゴミの資源化というテーマで活動し、約100ヵ所の飼育施設を持ち、有機廃棄物を食べて育ったカブトムシを生産しています。このカブトムシの活用により、資源循環や土壌改善に貢献しているのです。
深谷市の出資による3つのポイント
深谷市がTOMUSHI社に出資した主な目的は以下の三点です。
1.
カブトムシによるSDGs教育イベントの開催:市内の観光施設でカブトムシを使った教育イベントを実施し、地域活性化を目指します。
2.
昆虫製飼料での養鶏実験:市内の養鶏場において、昆虫から作った飼料を使用したニワトリの育成実験を行い、畜産業の振興を図ります。
3.
資源の最大活用:市内の未利用資源を活用し、飼料や肥料の生産に向けカブトムシの生育実験を行います。成功した場合は、飼育施設や飼料工場の設置も視野に入れています。
TOMUSHI社が行うイベント
TOMUSHI社は特に注目を集める企画として、『TOMUSHIのカブクワすごいぞ!』という展示イベントをふかや花園プレミアム・アウトレットで開催予定です。このイベントでは、昆虫を通じてSDGsや環境問題を学ぶことができる貴重な体験を提供し、地域の教育や環境意識の向上を目指します。
DEEP VALLEY Agritech Awardの背景
『DEEP VALLEY Agritech Award』は、儲かる農業都市の実現を目指し、深谷市が牽引する取り組みです。農家が抱える課題の解決に向けた技術やアイデアを募集し、幅広く表彰しています。アワードには、これまでに5社が出資され、その結果、深谷市ではスマート農業関連の国のプロジェクトが進行中です。さらに、2026年には米国のGrand Farmとの提携を期待されており、海外への進出も視野に入れているのです。
まとめ
深谷市は、高度なアグリテック企業の集積を進め、持続可能な農業の実現を目指しています。今後も地域の農業を支えるため、出資や協力を通じて新たな挑戦が続くことでしょう。TOMUSHI社と共に、未来の農業に向けて新たな一歩を踏み出しています。