新たな横型熱電変換材料MoSi2の魅力
最近、東京理科大学の研究グループが新たに見出した横型熱電変換材料、二ケイ化モリブデン(MoSi2)が注目を集めています。この研究成果は、持続可能なエネルギー源の開発に向けた大きな一歩とされています。
横型熱電変換とは
熱電変換技術は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する重要な分野です。従来の技術では、縦型熱電効果を基にした構造が一般的でした。しかし、これには接合部での電気抵抗損失が付き物で、エネルギー効率を低下させていました。横型熱電変換は、温度勾配に直交する方向に電力を発生させることができ、その効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。
MoSi2の特性
新たに発見されたMoSi2は、室温でなんと8 μV/Kという高い横型熱電能を達成しました。この特性は、低温域で他の材料を凌駕することも示しています。研究者たちは、MoSi2が持つ「軸依存伝導極性」により、異なる結晶軸方向で異なる電気伝導の特性を示すことを明らかにしました。
この特性によって、MoSi2は新たな熱電材料としての可能性を秘めています。工業用途でも広く使用されているため、実用化への道が期待されます。さらに、化学的な安定性や耐熱性も兆しを見せており、実用化に向けた新たな期待が高まっています。
実験結果の意義
研究チームは高品質なMoSi2単結晶を作製し、結晶軸方向に沿った熱電能を測定しました。これにより、正孔型と電子型の電気伝導が確認され、要素が横型熱電変換に適していることが証明されました。
また、この研究成果は2025年12月29日に国際学術誌「Communications Materials」に掲載され、世界中の科研学者からの注目を浴びることでしょう。
今後の展望
この研究によって得られた知見は、熱電変換技術のさらなる発展を牽引する重要なステップとなります。今後はより高効率な横型熱電モジュールの開発へとつながることが期待されています。また、持続可能なエネルギーの源としての可能性を秘めたこの技術は、様々な分野での応用が見込まれています。
横型熱電変換はまだ発展途上の分野ですが、MoSi2の発見はその未来を明るく照らす新たな光となっています。今後のさらなる研究と実用化に注目が集まります。