新たな治療技術の進化
2020-07-06 09:00:07

デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療の未来をつかむ新たな医療技術の進化

デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療の未来をつかむ新たな医療技術の進化



デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、筋肉を支える重要なジストロフィンたんぱく質の欠損により起こる進行性の筋疾患です。この病気は主に男児に影響を与え、国内でも約5000人と推定される患者が存在します。従来は対症療法としてステロイド剤が使用されてきましたが、この世界的難病において新たな治療法が期待されるようになっています。

筋ジストロフィーの歴史と治療の進歩



筋ジストロフィーの治療は長い歴史を持ち、1970年代から国の政策が始まりました。特に、国立病院機構に設置された筋ジストロフィー病棟が重要な役割を果たしています。この施設では、医療や教育が必要な子供たちのために療養環境が整えられ、国の制度により入院費用は国が負担しました。さらに、医学の進歩によってDMDの患者の寿命は延び、昔は20歳を超えられなかった患者が今では30歳を超える人も多く見られます。

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターの小牧宏文先生は、DMD治療における包括的アプローチが重要であると強調しています。「プロアクティブケア(先回りの医療)」と「シェアリング」のフレームワークがこの治療の現場で鍵を握っています。

核酸医薬『ビルトラルセン』の可能性



ここで注目を集めているのが、核酸医薬『ビルトラルセン』です。この新薬は、ジストロフィンたんぱく質の産生を促し、DMD患者の筋機能を改善する可能性を持っています。国立精神・神経医療研究センターでの青木吉嗣先生によると、この薬剤は特定のエクソンに作用することで、これまで治療が難しかった疾患に対しても効果が期待されています。特に、ホットスポットとなるエクソン44から55にアプローチすることで、大多数の患者に貢献する可能性があります。

ビルトラルセンの開発は2012年から始まり、これにより運動機能が回復するかどうかが重要視されています。青木先生は、「私たちが考えている新しいアプローチが多くの患者に適用できることを期待しています」と未来への希望を語ります。

日本新薬の挑戦と未来の展望



さらに日本新薬の高垣和史先生は、「ビルトラルセン」とは異なる他のエクソンをターゲットにした新薬を開発中です。これに成功すれば、DMD患者のおよそ41%が治療可能になる見込みです。核酸医薬品の最大の強みは、治療法がこれまでの医薬品がアプローチできなかった部分にまで作用できる点にあると強調しています。

日本新薬は、「日本人の飲む薬は日本人の手で創りたい」という理念を元に、新しい医薬品の研究を続けています。特に、医療において有効な治療法が不足している疾患への取り組みを強化し、DMD患者に希望をもたらしたいと考えています。

患者と家族の未来に希望を



DMD患者は、幼少期から運動機能が低下し、多くの場合、成人を迎える前に介護が必要になります。新薬「ビルトラルセン」の開発は、この厳しい現実に立ち向かう新しい道を切り拓くものとなるでしょう。開発に関わった全ての人々の熱意が、この薬剤を患者に届ける原動力となっています。

核酸医薬が持つ未踏の可能性が、多くのDMD患者とその家族に満ちた未来への希望をもたらすことを願ってやみません。交通事故の無い時代に向かって、共に一歩前へ進んでいくべきです。

会社情報

会社名
日本新薬株式会社
住所
京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
電話番号
075-321-1111

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