新しい地形の立体表現技術『CIマップ』の導入
中央開発株式会社は、東京都新宿区を拠点とし、地質調査とインフラ整備のパイオニアとして知られている企業です。そして、彼らはこの度、航空レーザ測量やデジタル標高モデル(DEM)を基にした微地形表現技術『CIマップ』を開発しました。この『CIマップ』は、2024年10月に公開予定であり、地質判読や地盤リスク評価に革新的な変化をもたらすことが期待されています。
『CIマップ』は、収束度(Convergence Index)を基にした新たな地形表現図です。この技術により、従来よりもさらに細かな地形の凹凸や傾斜を明確に視認できるようになります。特に、凹地形において、尾根や谷の特徴がシャープに描写され、微細な地形も明るく表現されることから、大きな地形の中でも目立たない重要な微地形部分を容易に特定することが可能です。
CIマップの開発に至る背景
近年、地質や地盤リスクの評価において、微地形表現図の重要性が増しています。多くの手法が存在する中で、1つのアプローチだけではなく、さまざまな技術を組み合わせることが重要です。そこで、『CIマップ』は、凹地形の中でも特に微細な地形を鮮やかに可視化するために考案されました。これは、尾根や谷を鋭く抽出しつつ、凹地内部が暗くなることなく情報を提供します。
実際、地盤工学会では『CIマップ』のテクニックが紹介され、「濁流地形や不規則な凹凸、さらには表流水の経路も明瞭である」と肯定的な評価を受けています。これは、CIマップの導入が、地盤工学や土木工事の現場において極めて役立つことを示しています。
収束度の役割
CIマップでの核心的な要素は、収束度です。これは特定のポイントを基準にして小さな領域内のピクセル傾斜を計算し、90度を除外した平均値を用いて決定されます。このプロセスにより、傾斜の方向を明確に判断し、地形の起伏があろうがなかろうが、シャープに尾根や谷を特定できます。
この技術は、地質情報の解析や防災においても大きな可能性を秘めています。中央開発は、このCIマップを用いてAI技術との組み合わせにより、地質リスクの判定技術の開発を進めています。地域の地質情報をマッピングすることで、より効果的な防災策の構築が期待されています。
中央開発の未来へのビジョン
中央開発は、長年の経験をもとに、業界の信頼されるリーダーとして位置付けられてきました。1946年に設立以来、数多くのプロジェクトに参画してきた同社は、デジタル技術と各種データを駆使して、『地質DX』という新たな分野の推進に注力しています。たとえば、点群データの活用や、AI技術を使った地質情報解析などがその一環です。
私たちの未来には、これまで経験したことのない地質データの活用法が待っています。それは、自然環境をより正確に理解し、持続可能な社会の実現に向けた有効な手段となるでしょう。おそらく、今後も『CIマップ』の進化とともに、中央開発はさまざまな機会を捉え、業界の次なるステージへと踏み出していくことでしょう。